REAPER

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REAPER上でRX Monitorがうまく動かない時の対処方法

REAPERとiZotope RXのRX Monitorを連携させようとした場合に、上手く動かない場合の対処法をメモしておきます。

※筆者は2024年6月時点でiZotop RX10 Standardを使用。


RX Monitorとは

iZotope RXにはVSTプラグインとして「RX Monitor」というものが付属しています。簡単に言うと、RXの音声出力をこのプラグインへ送信して、その音を(プラグインが挿入されている)DAW側で確認出来るという機能です。

DAW側のエフェクトチェーンの直前にRX Monitorをインサートしておけば、RXアプリケーション側で修正した音をDAWでエフェクトをかけつつプレビューが出来て便利だったりします。

これ以外にも、例えばオーディオデバイスの設定やDAWによってはオーディオデバイスを占有してしまって他のアプリケーションで同時に利用できなくなったりすることがあります。その場合RXで直接音が鳴らせないという状況になるため、回避策としてオーディオデバイスを占有してるホスト側のRX Monitorを介して音を鳴らす方法としても利用できます。

RX Monitorの詳細については↓のiZotopeのブログやRXのマニュアルを参照して下さい。



RX側を再生した場合にエラーメッセージが表示される場合

REAPERからItemの波形を編集するために、外部エディタ(External Editor)としてRXアプリケーションを用いた場合、RX側でプレイバックすると以下のようなエラーメッセージが出る場合があります。

The selected audio driver is unavailable.
RXMonitor_ErrorOnPlayback

エラーメッセージが出る手順の例

REAPER上での編集フローとしてありがちなのは、以下のような手順でItemの波形を外部エディタ(RX)で編集するような場合です。

  1. (事前準備)REAPERのPreferencesで「External Editors」を設定してRXアプリケーションをItemの波形編集用に登録しておく。
    RXMonitor_RPExternalEditorsRX
  2. Track FXにRX MonitorのVSTを挿入しておく。
  3. wavのItemを外部エディタ(External Editor)であるRXで開く(Item右クリックから [Open items in editor>Open items in 'iZotope RX 10 Audio Editor.exe'] のような感じのものをクリックで開けます)。
    RXMonitor_OpenAudioItemOnRX_01
  4. RXアプリケーション側メインメニューから「Edit>Preferences...」でAudioタブの設定を開き、[Driver type]や[Output device]が[RX Monitor]になっていることを確認。
    RXMonitor_Preferences_01
  5. RXアプリケーション側で再生を行うと、RX Monitorプラグイン側に音声が流れてREAPER側から音が鳴るハズ・・・(ここでRX側に上記エラーが表示される)。
    RXMonitor_Error_01

もちろんこれはあくまで不具合の発生する手順の一つであって、条件が揃っていれば他の手順でも再現する場合はあるかと思います。


原因と解決方法

REAPERにはこちらで紹介しているような「REAPERのウィンドウが非アクティブになったらオーディオデバイスを閉じる」機能がオプションとして存在します。筆者の遭遇したケースでは、この機能がONになっているのが原因でした。


自動でオーディオデバイスが閉じられる機能がONになっていると、REAPERから別のウィンドウ(ここではRXアプリケーション)にフォーカスを切り替えた瞬間にREAPERのオーディオデバイスが閉じられて無効化されてしまいます。
RXMonitor_ReaperAudioClosed_01
↑ REAPERウィンドウ右上のオーディオデバイスの状態表示を見ると閉じられていることが分かる

オーディオデバイスが無効になっている状態のREAPER側に挿入されているRX Monitorへ音声を送信しようとしたけど再生に失敗したため、エラーメッセージが表示されて音も鳴らないという結果になったようでした。

解決方法としては、REAPERが非アクティブになってもオーディオデバイスを閉じないようにオプション設定を行えばOKです。具体的にはREAPERのPreferencesで[Audio]の設定ページにある [Close audio device when stopped and application is inactive] を OFF(チェックを外す)にしておくと良いでしょう。

RXMonitor_OptionCloseAudioWhenInactive_01

このオプションはデフォルトでONになっていたような気もする(?)ので、RX Monitorを使うような人はOFFにしておくことをお勧めします。というか、他にもREAPER非アクティブ時にItemをOfflineにする等、このテの自動無効化系オプション全般がいろいろなところで問題を引き起こすため、ワークフロー上問題がなければOFFにしておいた方が良さそうです。


REAPERでItemの波形表示(Peaks)が粗くなってしまう問題の対処方法

今回はREAPER上でのItemの波形表示の挙動が変わって焦ったという話です。


いつの間にか変わったItemの波形表示

先日気が付いたのですが、REAPERでタイムライン(Arrange View)を拡大表示してItemを見た時に、従来はサンプルの折れ線が表示されていたのにいつの間にか粗いカクカクの表示になっていました(下図の上側のItemのような感じ)。

何かバグったかな? と思って波形表示(Peaks)の再構築を行ったりしても直らなくて少し焦ったのですが、その後解決策を無事見つけることが出来ました。最近こういったケースに遭遇したことはないでしょうか。

REAPER_LowResPeaks_01

解決方法

結論から言うと、Preferencesに設定が追加されていました。以下の設定でON/OFFの切り替えが出来るようになっています。

  1. REAPERのメインメニューから [Options>Preferences...] で設定ウィンドウを開く。
  2. 左側の設定項目で [Media>Video] を選択し、[Display low-resolution audio peaks for video items] をONにすると動画のItemの波形表示が粗くなります(OFFで従来通りサンプル折れ線表示)。

上記説明で強調表示してあるとおり、「動画のItemの波形表示」のみがこの影響を受けるようで、それ以外のwavファイルなどのItemについては特に影響はないようです(こちらは従来通りサンプルの折れ線表示のまま)。

設定を切り替えてみた場合の表示状態の比較は以下のとおりです。

  • 設定をONにした場合: REAPER_LowResPeaks_On
  • 設定をOFFにした場合: REAPER_LowResPeaks_Off

REAPERのどのバージョンからこの設定が入ったのかはチェックしてないのですが、最近波形表示がパワーアップした(ラウドネス等のグラフや色付け表示などが強化された)こともあって、その流れで実装された機能なのかもしれません。あと恐らくPeaksを粗く表示できるようにすることで、そのもとになるPeaks構築の計算を高速に出来るようにしたとかなのかも(ノートPCや非力なPCなどで処理速度に違いが出るか見てみたいところ)。

いずれにしても無事問題が解決したのでスッキリしました。どんなツールでもそうですが、デフォルトの挙動が急に変わるとビックリしますね! 音声付きの動画をタイムラインによく配置する人はご注意下さい。


REAPERで演奏していたMIDIをItem化するMIDIキャプチャ

今回はいわゆる「MIDIキーボードで今演奏したやつすごくうまく弾けたけどレコーディングしてなかったああぁ!」を救ってくれる、MIDIキャプチャ機能の紹介です。



MIDIキャプチャ機能とは

REAPERではTrackのArmをONにして録音待機状態にすると、MIDIコントローラでVSTiなどのインストゥルメントを演奏して音が出せますが、毎回必ずレコーディングしながら演奏するかというとそうでない人も多いかと思います。

ただし、レコーディングしていないと演奏していた情報は残らないために「あぁ、さっきのいい感じに弾けたからレコーディングしておけばよかった!」となることも多いでしょう。

ところがREAPERではバックグラウンドでMIDI演奏をレコーディングしてくれていて、「今のよかったな」と思ったら、それをMIDI Item化して演奏データを復元することが出来ます。便利ですね。

この機能はREAPERより以前に、確かAbleton Live 10あたり(?)で実装されて少し話題になった記憶があったのですが、REAPERではしれっとv6.67あたりで機能が入ったものの、自分の視野の範囲内では特に騒がれずに過ぎてしまっていた気がします(個人的には興奮気味でしたが)。

また、REAPER公式では特にこの機能を「MIDIキャプチャ機能」とは言ってない(多分「Retroactive MIDI Recording」という機能)ですが、Ableton Liveの前例もあり分かりやすい用語として、以下も「MIDIキャプチャ」と勝手に言うことにします。


MIDIキャプチャ機能の使い方

基本的な使い方

MIDICapture01

使い方は簡単で、以下の手順で過去に演奏したMIDIをItem化出来ます。

  1. TrackのArmをONにしてVSTi等を演奏できる状態にし、MIDIキーボードで好きなように演奏します。この際、演奏したMIDIデータはバックグラウンドで記録されています。
  2. Item生成先のTrackを選択して、以下のActionを実行すればMIDI Itemが出来ます。
    MIDI: Insert recent retroactively recorded MIDI for armed and selected tracks
    この際、選択するTrackと演奏していたTrackは特に関係性がないので、単純に生成先を選ぶだけだと考えれば良いでしょう(複数のTrackを選択して生成すると、同じ内容のMIDI ItemがそれぞれのTrackに生成されます)。

MIDIキャプチャ用のAction

MIDIキャプチャ用のActionとしては、以下のものがあります。

  • 直前に演奏したMIDIをキャプチャするAction
    - MIDI: Insert recent retroactively recorded MIDI for armed and selected tracks
    - MIDI: Insert recent retroactively recorded MIDI for armed tracks
    ちなみにMIDIキーボードでの演奏が終了してからしばらく経過すると区切られるようで、このActionでMIDI Itemを生成すると、比較的最近演奏したものだけがMIDI Itemに含まれます。
  • 今まで演奏したすべてのMIDIをキャプチャするAction
    - MIDI: Insert all available retroactively recorded MIDI for armed and selected tracks
    - MIDI: Insert all available retroactively recorded MIDI for armed tracks
    REAPERを起動してからArmして演奏したMIDI演奏データが全て含まれたMIDI Itemが生成されます。
  • 過去のMIDI演奏データをクリアするAction
    - MIDI: Clear retroactive MIDI history
    過去の演奏記録を全て破棄してしまいたい場合に使用します。

こういった機能を利用すれば、レコーディング状態にせずとも後から回収する前提でリラックスした状態でMIDI演奏出来ますね。良かったと思ったら後から回収できるというのは、シンプルですが素晴らしい発想だと思います。

あと、MIDIだけではなくオーディオも同じようなことがGlobal Samplerというスクリプトで可能なので、こちらも興味があれば使ってみる事をお勧めします(以下の記事参照)。


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