Melda

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Meldaプラグイン入門:プラグイン共通ツールバーの使い方

Meldaの各種プラグイン共通で右側にツールバー(Toolbar)が用意されているのですが、これが結構便利だったりするので紹介します。

MeldaToolbar_02

※:プラグインの種類によってはない場合もあるもの


Oversampling(オーバーサンプリング)

プラグイン処理におけるサンプリングレートを引き上げ、エイリアシングを減らすためなどに使用する機能です。

Melda_HQOverSamplingOption

OVERSAMPLINGウィンドウ右上にあるオプション [High-quality oversampling] を有効にしてOversamplingの倍率を上げると、一部のフィルターなどではレイテンシが発生するようです。リアルタイムで演奏を行うといった場合に問題になるようであれば、オプションをOFFにしてレイテンシをなくすことが出来ます。


Channel Mode(チャンネルモード)

プラグインの効果をどのチャンネルにかけるか(例えばステレオのLeftチャンネルにだけかける、など)を選べます。

  • Left + Right
    ステレオ L/R両方を処理する、デフォルトのいわゆる通常設定。
  • Left, Right
    Left / Rightのみに効果をかける
  • Mid, Side
    MS処理で分離した Mid / Side のみに効果をかける
  • Mid + Side
    MidとSide両方を処理(多くの場合 [L + R] と効果が似ていますが、波形の内容によってはステレオ感への影響具合が異なる)
  • Left + Right (neg)
    Rightの位相を反転させて、あとは [L + R]のように両方のチャンネルに効果をかける。左右チャンネルの位相に問題がある場合などに使用(極端なステレオ感が出て耳への負担が大きくなるのと、モノラル互換がなくなるため、常用するようなものではありません)
  • Left / Right / Mid / Side & zero XX
    それぞれ特定のチャンネルを処理して、もう片方は無音にして出力(特定のチャンネルに対する効果のかかり方を確認したりするのに使えます)
  • Surround
    サラウンドで処理を行いたい場合に使用。これを選ぶとプラグインでサラウンドモードを有効にするか聞いてくるので、有効にしたら一旦DAWを再起動する必要があります。一部のホスト(DAW)でサラウンドモードが正常に動作しないため、デフォルトではOFFになっているとのこと。
    また、サラウンドを有効にした後、このメニューに [Surround Settings] という項目が表示されるようになるので、それを選ぶとサラウンドのどのチャンネルを使用するかといった設定が可能です。
    Melda_TBCM_Surround01
  • Ambisonics
    これもSurround同様に有効化して使うモードで、Ambisonicsの波形データをそのまま流して効果をかけられる模様(1~7th Orderまで対応)。REAPERの場合は1Trackで64チャンネルまで扱えるのでフル機能使えますが、多くのホスト(DAW)は対応していないらしいです。

AGC(自動ゲインコントロール)

プラグイン入出力音声のラウドネスを自動的に計算して、入出力の音量感が合うように自動的にゲインコントロールをしてくれる神機能。音量を一定に保ってくれるので音質変化を捉えることに注力できるようになります。

ただし万能という訳ではなく、例えばゆるやかな音量変化が続くトレモロやLFOなどとは相性が悪かったりします。また、ずっとONにしっぱなしにするような機能ではありません。

AGCSet02

ターゲットとなる音声を流しながら [Set] ボタンを押すと、ラウドネス測定後にプラグインのGainノブをAGC適用時の値に自動的に設定してくれます。AGCを使った作業が終わったら [Set] ボタンでGainに焼き付けて完了、という感じに使うと良いのかもしれません。


Limiter(リミッター)

透過的なBrickwall Limiterが搭載されており、クリッピングを防止することが出来るようになっています。音声コンテンツやパラメータ設定によっては音量が大きく上がってしまうと予想されるプラグインの場合に、保険としてONにしておくといった使い方になる感じでしょうか。

これもLimiterとしての処理負荷や若干のレベル変化を伴う場合があるので、「とにかく毎回ONにしておく」といった使い方は推奨されていません。


A-H Preset Selector(A~Hプリセット切り替え)

プラグインの設定を同時にA~Hの8個保持出来、瞬時に切り替えていわゆるA/B比較が出来るようになっています。

Melda_TBAHPreset01

また、直下の [A/B] ボタンを押すことで、直前に切り替えた2個のプリセットを繰り返し切り替える事ができて便利です(A、Dと順に切り替えていたら、A-D-A-... という感じに切り替わる)。

更にA~Dの4つは以下のモーフィング機能でも利用されます。


Preset Morph(プリセットのモーフィング)

四角いMorphingのボタンを押すと、ABCD MORPHINGウィンドウが表示されます。丸い印を動かすことでA~Dに登録されたプリセット間のパラメータモーフィングを行えます。

Melda_PresetMorph02

この機能は現在のプリセットのパラメータを上書きで変更してしまうため、E~Hのプリセットを選択してから使うのが望ましいです。使う手順としては以下のような感じ。

  1. A~Dのスロットを選択してそれぞれMorphingに使いたいPresetを読み込む
  2. スロットEを選択し、ABCD MORPHINGウィンドウを表示してMorphingを行う(EにMorphingの結果が設定される)

また、MXXXなどのModularを含むプラグインについてはMorphingの都合上、A~Dのプリセットのモジュール構成などを一致させる必要があったりします。


Copy / Paste(コピー・ペースト)

現在のPresetの内容をコピー・ペーストすることが出来ます。

それだけだと普通なのですが、Ctrlキーを押しながらボタンをクリックすると、PresetをファイルにSave/Loadが出来たりします。Shiftキーを押しながらPasteボタンを押すと、A-HのPresetに一括Pasteも可能です。

さらに面白いのが、MeldaのプラグインのPresetコピー機能はクリップボードにテキストとして保存しているという点で、メールやフォーラムに貼り付けて他の人と共有するといったことも出来ます。MXXXなどのModular構造を含むプラグインは情報が膨大になり得るためクリップボードに収まりきらなくなることがあるのですが、そういった時はファイルへ保存する方法が適しています。


Undo / Redo(アンドゥ・リドゥ)

プラグイン上でのパラメータ変更をUndo/Redo出来ます。


Diff(効果差分を聴く)※

プラグインの入力・出力の差分で変化した分の波形を聴くことが出来ます。どういったタイミングでどの程度プラグインの効果が強くかかっているかなどの参考になります。


MIDI(MIDI設定)※

MIDIの設定ウィンドウが表示されるボタンです。本記事では割愛しますが、プラグインのGlobal PresetをMIDIコントローラで切り替えるといった便利な機能も搭載しています。

Melda_MIDIPresetSwitch01

WAV(WAVファイルに一括適用)※

ファイルを指定し、プラグインの効果をかけて保存するという機能です。[WAV]ボタンをクリックするか、音声ファイルを[WAV]ボタンにドラッグ&ドロップ(複数ファイル可)すると、効果が適用されて保存されます。

wavファイルは上書きされてしまうので注意(元のファイルを取っておきたい場合はバックアップをとっておきましょう)

wavファイルを入力した場合は元のフォーマット設定で、MP3ファイルなど別の形式の場合は32bit Floatで別途wavファイルが保存されます。

どのようなワークフローでこの機能を使うのが良いのかまだはっきりしないので試行錯誤中という感じですが、DAWでわざわざレンダリングしなくて済んだり、テストでいくつかのwavファイルを一括処理してみたりといったこともサクッと出来ますし、いざという時に便利そうです。


IR(IRファイル作成)※

Reverb等のプラグインの場合、プラグインの設定状態からIRファイルを生成することが出来ます。

生成したIRファイルを使ってみると分かりますが、元のReverbの完全な再現とまではいかないので再現度は期待しすぎない方がよいでしょう。

ただし、Meldaのプラグインが使えない環境にIRファイルを持って行って使うことが出来るので、ある程度満足のいく響きのIRファイルが作れれば利用価値がありそうです。例えば近年発売されているハードウェアエフェクターなどはIRファイルのインポートが出来たりします。

REAPERなら標準で付属のReaVerbのファイル読み込みでIRが手軽に利用できますし、要は使い方次第、という感じですかね。



Meldaのプラグインには上記の機能が共通でついてきます(プラグインによってないものもあるけど)。このツールバーだけでもいかに多機能かということが分かりますし、少なくとも筆者の所持しているプラグインスイート系のもので、ここまでの機能が共通で揃っているものは他にありません。

Toolbarだけではありませんが様々な機能が他では替えが効かないということもあり、筆者の場合は結局Meldaのプラグインばかり使うようになってきてしまいました。Meldaのプラグインは、あらゆるルーティング設定を手動で自由に出来るREAPERとの相性もぶっちぎりで良いと感じています(感じ方には個人差があります)。皆さんもご興味あれば是非使ってみて下さい。



Meldaプラグイン共通の基本的な使い方を知っておきたいという場合はこちらもどうぞ。

基本的な使い方(初心者向け)前編
基本的な使い方(初心者向け)後編

Melda MSoundFactory:Monastery Grandのインストール方法

MonasteryGrand

先日Meldaからリリースされたフリーのピアノ音源 Monastery Grand。MSoundFactoryにおける初の拡張音源、になるんですかね? こういった音源が徐々にリリースされていくのではないかと考えると、今後が楽しみです。
今回はこの音源のインストール方法を解説します。


MSoundFactory(Player)のインストール

プラグインのインストール

Monastery GrandはMSoundFactoryで動作するInstrumentです(フリーのMSoundFactoryPlayerでもOK)。なので、まずMSoundFactoryのインストールが必須となります。

こちらの記事でインストール方法については解説したので、まずそれに従ってMSoundFactoryをインストールして下さい。フリー版を使うならActivationは不要です。


MSoundFactoryの基本拡張リソースをインストール

以下の手順でダウンロード・インストールしましょう。

  1. データのダウンロード
    MSoundFactoryEssentials

    こちらのインストールガイドを見ると、MSoundFactoryEssentialsというデータをダウンロードする青いボタンがありますので、ダウンロードして下さい。MSoundFactoryEssentials.mproduct というファイルがダウンロード出来るはずです。

  2. プラグイン側でSampler Rootフォルダの設定
    ダウンロードした拡張データをMSoundFactoryでインポートする際に、Sampler Rootフォルダを指定する必要があります。この設定をせずに.mproductファイルをインポートしようとすると、最初にいきなりこれを指定しろと言われて「え、何これ?どこを指定すんの?」という気持ちになりますが、インポートしたファイルが配置される場所になりますので、実際はどこでもOKです。

    Sampler Rootフォルダの設定は、プラグインメニューの[Settings]をクリックして、SETTINGSウィンドウ左下の方の[SAMPLER]の[Root]というテキストボックスに指定します。虫メガネボタンをクリックして、フォルダを選択しましょう(恐らくバグだと思いますが、パスをテキストボックスに貼り付けただけだと、後述のデータインストール時にフォルダを作成出来ない旨のエラーが出たりしたので、必ず虫メガネボタンのフォルダ選択ウィンドウで選択することをお勧めします)。
    SF_SamplerRoot

    ちなみにもう少し補足すると、このSampler Rootフォルダ設定はグローバル設定で、Meldaプラグイン共通で使われるSampler機能が参照するルートフォルダとなります(現状だとMSoundFactory、MXXXなど)。なのでMSoundFactory側で設定を変更すると、MXXXなどが参照するSampler Root設定も変わるので注意。

  3. 基本拡張リソースのインポート
    Import
    ここまでくれば後は簡単です。MSoundFactoryの右上にある[Menu]から[Install product]を選んで、先ほどダウンロードしたMSoundFactoryEssentials.mproductを指定すれば、インストールされます。

これでMSoundFactoryを使用する準備が整いました。


Monastery Grandのインストール

ここまでくると後は簡単で、データをダウンロードしてインポートするだけになります。

  1. データのダウンロード
    Download Monastery Grand
    Monastery Grandのデータはこちらのページにある[ManasteryGrand]という青いボタンからダウンロード出来ます。
  2. MSoundFacotryでデータをインポート
    SF_Install Products
    基本拡張リソースのインポート方法と同様、MSoundFactoryの[Menu]から[Install product]でMonasteryGrand.mproductをインポートすればOK。
  3. MSoundFactoryを再起動
    プラグインを再起動(DAWを一旦再起動すると確実)すると反映されます。
    Device List
    MSoundFactory左下にあるリストの[Keyboards]をクリックして、[Monastery Grand]と[Monastery Grand creative]が表示されていればOK。[Monastery Grand]をダブルクリックしてロードすればInstrumentとして利用出来ます。
    Monastery Grand


ネットで評判を見てみると、フリーで音の良いピアノ音源としてMSoundFactoryPlayerを導入されている方も結構いるようですね。

MSoundFactoryのFullバージョンは究極のシンセの1つと言っていい機能性を持っていますが、モジュラーは組めないけど全プリセットを利用できるLE版もあります。このあたり興味がある方は、こちらに安く買うためのコツをまとめましたので、是非購入を検討してみてはいかがでしょうか。


Meldaプラグイン共通の基本的な使い方を知っておきたいという場合はこちらもどうぞ。

基本的な使い方(初心者向け)前編
基本的な使い方(初心者向け)後編

Meldaプラグイン入門:プラグインのインストール・アクティベーション

今回はMeldaプラグインのインストール方法をまとめておきます。


インストーラのダウンロード

MP_Download_01

インストーラはこちらのDownloadページから最新版をダウンロードしましょう。インストーラはひとつで、フリーのものなどを含むMeldaの全プラグインが含まれています(入れたいものをインストール時に選ぶ)。

[Download(Win)]ボタンをクリックすると、どこからダウンロードするかのミラーサーバーを選べますが、どれでも構いません。


インストール

ダウンロードした.exeファイル(maudioplugins_14_xx_setup.exeなど)をダブルクリックしてインストール開始。

MP_Install_01

Meldaのインストーラは独自なGUIなので、最初は面食らうかもしれませんがすぐ慣れます。まずは簡単な注意事項(設定はデフォルトがオススメ・DAWは閉じとくべし・インストールがうまくいかない場合はOS再起動してね、など)が書かれていますが、[Next>]ボタンで進みましょう。


MP_Install_02

次はライセンス確認画面。[I agree to the licence terms.]にチェックを入れて[Next>]ボタン。


MP_Install_03

インストールするプラグインの種類(VST, VST3, AAX)を選択して[Next>]。
よくわからなければデフォルトのまま(全てチェック)でもよいですが、自分はProToolsを使わないのでAAXは外しています。Meldaに限らず、DAWによってVST3での挙動は時々怪しかったりする場合があるので、自分はVST/VST3の両方をインストールするようにしています。


MP_Install_04

ここではインストールしたいプラグインを選択します。(free)と書かれている以外のプラグインもインストール出来ますが、ライセンスを買ってActivateするまでは試用版としての利用になります。選択し終わったら[Next>]。


MP_Install_05

プラグインインストール場所の選択。VSTの場合は定番の場所が表示されているはずなので、特に変更する必要はありません。場所を確認出来たら[Next>]。


MP_Install_06

プラグインのクリーンナップ画面。「なにこれ?」と思うかもしれませんが、プラグインの場所を変更したり、古いバージョン(V10)のプラグインから更新したりする場合に必要なクリーンナップを行うことができます(要するにインストール済みDLLの削除)。

[Quick clean-up]ボタンを押すと、[SEARCHING FOR PLUGINS]ウィンドウが表示され、インストールされたVSTなどのDLLファイルが自動検出されて一覧表示されます。ここで[Delete plugins]をクリックすれば削除出来ます(一部のファイルのチェックを外すことも可能)。

[Quick clean-up]は選択されたプラグインフォルダのみを検索し、[Full system clean-up]はHDD内をゴリゴリ検索していくようです。

実際のところ、大抵はプラグインファイルの上書きで問題ないのでどちらのボタンも押す必要はないと思います。メジャーバージョンが上がる時などは、念のためQuick clean-upで掃除しておくくらいですかね。

また、Quick clean-upは行ってもMDrummerなどの拡張パック(後述)が消えたりすることはないようです。

てことで[Next>]を押すと、プラグインファイルのインストールが開始されます。


MP_Install_07

途中でVisual C++ Redistributableのインストールウィンドウが開いたりしますが、特に気にせず待ちましょう(Cancelは押さずに待つべし)。

MP_Install_08
↑ Visual C++ 2013 Redistributable インストールウィンドウ

MP_Install_09

この表示が出たら終了です。あとは[Exit]ボタンを押してインストール完了。


プラグインのアクティベーション

プラグインのアクティベーションは、DAWでプラグインを起動してから行います。以下の手順でライセンスファイルを読み込むだけでOKです。

  1. Meldaのページで自分のアカウントにログインし、メニューの[My Licenses]で表示されるページからライセンスファイルをダウンロード
    MP_Activate_01
  2. DAWでプラグインを起動(ここでは例としてMSoundFactoryを起動。Activateされていないので、MSoundFactoryPlayerとして表示される)
    MP_Activate_02
  3. プラグイン画面上部の[Settings]をクリックし、SETTINGSウィンドウを表示
    MP_Activate_02_2
  4. [Activate]ボタンを押すと、ファイル選択ダイアログが表示されるので、先ほどダウンロードしておいたライセンスファイルを選択して[OK]ボタン
  5. QUESTIONウィンドウが表示され、自分の登録した住所などが表示されているのを確認して[YES]ボタン
  6. 問題がなければ以下のような成功を示すダイアログが表示されて、アクティベート完了
    MP_Activate_03
  7. プラグインを起動しなおす(一旦DAWを再起動すると確実)と、先ほどまで[MSoundFactoryPlayer]だったのが[MSoundFactory]に切り替わっているのが分かります。
    MP_Activate_04

追加リソースのインストールが必要なプラグイン

基本的には上記まででプラグインのインストールは完了なのですが、以下のプラグインについては追加のリソースがダウンロードできるようになっています。基本的に最低限必要なリソースは入れておく必要があるので、プラグイン毎の説明を見てインストールしておきましょう。


インストールしたら知っておきたいプラグインの基本的な使い方

Meldaプラグイン共通の基本的な使い方を知っておきたいという場合はこちら

基本的な使い方(初心者向け)前編
基本的な使い方(初心者向け)後編

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