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REAPERのステップシーケンサー (3) Megababy - Nandy's Mod 操作方法まとめ

前回からの続きで、今回はMegababy (Nandy's Mod)の操作方法をまとめておきます。おそらく今回の説明で操作方法はほぼ網羅出来ているはず。


セットアップ系

ピアノロールとドラムマップの設定

MBNM_01

デフォルトだと画面左側に鍵盤が表示されていますが、これはその上のボタン[PR]/[DM] で表示をドラムマップに切り替えることが出来ます。

縦に表示する鍵盤(グリッド)の範囲は上部の鍵盤表示の緑色の範囲になっています。

  • 緑色の範囲を左右に左ドラッグ
    範囲全体を移動(右側の方にある [Base: XX] で最低ピッチが分かる)
  • 緑色の範囲を左右に右ドラッグ
    ピアノロール・ドラムマップのピッチ範囲(縦のグリッド数)を変更

ピアノロール・ドラムマップ上のどこでも右クリックすると、その高さのNoteを試聴できます。

ドラムマップの場合はマップ名のところを上下に左ドラッグでその高さの音を別の高さの音に切り替えることが出来ます。変更したものには赤いマークが付きます。これはピッチが離れすぎているものを画面内に収めるのに役立ちますね(緑の範囲を大きく広げなくてもよくなる)。

ドラムマップの場合、マップ名の左の数値はMIDIチャンネルです。上下に左ドラッグでMIDIチャンネルを変更出来ます。


MIDI CCレーン

MBNM_02_CC

画面下側にCCを入力できるレーンがあります。以下のような操作が可能。

  • 値入力部を左ドラッグ:値のセット
  • 値入力部を右ドラッグ:値をクリア
  • 左側のCCタイプ(Panなど)は上下に左ドラッグで変更可能
  • CCタイプ=127は特殊値でProbability(鳴る確率)設定になる
  • CCタイプ左側の数値はMIDIチャンネル(上下に左ドラッグで変更)

CCはそのチャンネルにしか影響が及ばないことに注意。MIDIチャンネルを変更してしまうとコントロールが難しくなるので、複数チャンネルの同時利用は控えた方がいいかも。


パターンなどの設定

MBNM_03_Pattern01

まず[Settings]ボタンを押して、パターンのタイプ切り替えボタンを表示します。このボタンで[96パターン / 64ステップ] か [48パターン / 128ステップ] かを切り替えることで、使用できるパターン数と1パターンにおける最大ステップ数が決まります。また、この切り替えを行うとパターンがクリアされてしまうので、必ず最初にこの設定を行うようにしましょう。

パターン毎に設定出来るパラメータは以下の通り。

  • Seq Length
    パターンのステップ数(左クリック:直接指定、右クリック:サイクル式に値変化)
  • Steps/Beat
    ビート毎のステップ数(左クリック:直接指定、右クリック:サイクル式に値変化)

画面上部に並んだ数値(1~48のところ)がそれぞれパターンのスロットになっていて、これらにパターンを記録して後で切り替えながら演奏することが可能です。[Settings]のところで[96 Patterns/64 Steps]を選んだ場合、パターンの番号左下にある [++] ボタンで、パターン1~48 / 49~96 を表示切替できます。

MBNM_04_Pattern02

パターンの切り替えはそれぞれの数値を左クリック。もしくは画面上部の鍵盤の赤い範囲のMIDI Note入力で行えます(MIDI入力モードを [Pattern Change] などに切り替える必要あり)。赤い範囲は左右に左ドラッグで移動でき、最小ピッチは [Trig: XX] に表示されます。この最小ピッチ(上図だとTrig=C6)がパターン1で、あとは半音上がるたびにパターン2, 3, ... というように対応しています。

実際やってみて気づいたのですが、このMIDIトリガーのNote番号が1オクターブ低い表記になっているようです(バグ?)。なので実際にはこの表記+1オクターブ上のNoteをMegababyに送ってやる必要があることに注意。


パターンの数値に対する操作、表示状態

  • Ctrl+左クリック:現在のパターンをその数値のパターンにコピー
  • Ctrl+右クリック:そのパターンをクリア
  • Alt+左クリック:パターンチェイン(連続再生パターンシーケンス)の最後尾を指定、もしくはパターンチェインをOFFに戻す
    MBNM_06_Pattern04
  • そのパターンにNote等が記録されると数値の色が変わる
    MBNM_05_Pattern03

再生範囲設定

シーケンスを再生開始・終了するビート(プロジェクト全体での時刻)と、パターンを再生するかどうかが設定出来ます。

  • [>|>] ボタン
    スタートのビートに到達するまで再生するかどうか。[>|>]の場合は再生する、[ |>]の場合は再生しなくなります。終了時刻を設定すると、これらの設定がどちらであってもその時刻以降は再生されなくなります。
  • [>|>]ボタン右側の2つの数値の枠(開始・終了ビート)
    MBNM_07_SetStartBeat
    再生カーソルをArrange View上で再生開始位置にセットしてこれら数値を左クリックすると、再生開始・終了時刻(ビート)を設定出来ます(右クリックでデフォルト値に戻す)。
    また、この演奏開始時刻を設定した場合「開始時刻にパターン内の一番左のビートから再生され始める」という挙動になります。

    MBNM_08_SetPlayRange01

範囲を設定して再生すると下のような感じ。
MBNM_PlayRange01


演奏などに関するグローバル設定

以下の設定はグローバルのようでパターン毎に切り替わりません。

MBNM_09_SwingRateVel
  • Swing
    演奏時のSwing指定
  • Rate
    演奏全体の速度倍率
  • [V: XXX]
  • ステップの入力の際に設定されるVelocity値

これらの値も(左クリック:直接指定、右クリック:サイクル式に値変化)になっています。


MIDI入力がどういう挙動に影響するかのモード設定

MBNM_10_MidiMode01
  • Midi Off
    何も起こらない
  • Pattern Change
    上部の鍵盤の赤色の範囲をもとにパターン切り替え
  • Transpose
    入力したNoteピッチで [Base: XX] を変更
  • Resync
    上部の鍵盤の赤色範囲でパターンを切り替える際、再生開始位置(ビート)を現在の再生位置に変更。つまり、切り替えた瞬間にMegababy内の再生位置が一番左になる。
  • Xpose + Resync
    赤色範囲内の鍵盤ではResync、それ以外はTransposeと同様
  • Resync Quantized
    Resyncの時刻を次のビートに合わせて設定
  • Xpose + Resync Q
    赤色範囲内の鍵盤では Resync Quantize、それ以外はTransposeと同様

配色設定

MBNM_11_ColorTheme01

画面右上のボタン(デフォルトが[BlueManie])をクリックすると配色が切り替わります。左クリックで次の配色、右クリックで前の配色、というように切り替わる順番が異なります。


Note入力・編集用機能

Noteのマウス入力・フリーフォーム入力

基本的にマウス左クリックでNoteのON/OFF切り替えですが、左ドラッグによる連続入力機能がモードによって異なります。

  • ピアノロール
    左ドラッグでフリーフォーム入力
  • ドラムマップ
    左ドラッグで左右にだけ連続入力、Alt+Ctrl+Shift+左ドラッグでフリーフォーム入力
MBNM_FF01

Noteパラメータ編集

Note毎にVelocityなどの設定が行えます。

  • (Alt+) Ctrl+左ドラッグ(上下):Velocity変更(+Alt:その鍵盤全体)
    MBNM_Edit01
  • (Alt+) Shift+左ドラッグ(左右):発音開始時刻オフセット(+Alt:その鍵盤全体) MBNM_Edit02
  • Alt+左クリック:Tie(右側のNoteと連結)のON/OFF MBNM_Edit03
  • Shift+右ドラッグ(上下):Noteを均等分割(3連符入力等に使用。8分割まで可能) MBNM_Edit04

全体ステップ数のスケーリング

画面左側のピアノロール・ドラムマップに対して以下の操作をすることで、[Steps/Beat]を半分もしくは2倍にスケーリングすることが出来ます。

  • (Alt+) Ctrl+左クリック:[Steps/Beat] x 1/2(+Alt:NoteがBeatにおける相対位置を維持)
  • (Alt+) Ctrl+右クリック:[Steps/Beat] x 2(+Alt:NoteがBeatにおける相対位置を維持)
    MBNM_Scale01
  • Shift+左クリック:現在のパターンを複製して2倍にする
    MBNM_Scale02

入力したパターンデータ全体の移動

左上の方にある[Move]ボタンで入力したNote全体を上下左右に移動出来ます。

  • (Shift+) 左/右クリック:右/左に全体を移動(+Shift:上/下移動)
  • ↑の操作に Ctrl を加えると1ステップずつの移動になる
  • Alt+左/右クリック:CCは現在のまま固定してNote全体を右/左に移動
    MBNM_Move01

なんでクリック側と移動方向が逆なんだ・・・


REAPERのステップシーケンサー (2) Megababy - Nandy's Mod

前回に引き続き、REAPERのステップシーケンサーについてですが、今回はREAPER標準では付属していないModを紹介します。実はある意味こちらが本命&最強(?)なやつです。


Sequencer Megababy - Nandy's Mod

このModははNandyCさんによってMegababyが拡張されたもので、以下のリンク先からダウンロードできます。筆者は実際のところこれしか使っていませんので、jnifさん版からの差分とか特に把握していないのですが、ダウンロードページに何が変更されたかは一覧で書かれています。

どんなものなのかはこちらの動画で雰囲気が掴めると思います。


インストール方法

上記ダウンロードしたファイル(seq megababy nm)は拡張子がありませんが、JSスクリプトファイルです。以下の手順でインストール出来ます。

  1. REAPERリソースフォルダを開く(REAPERのメニューから [Options>show REAPER resource path in explorer/finder...])
  2. (REAPERリソースフォルダ)/Effects/midi フォルダに "seq megababy nm" というファイルをコピー
    SeqMegababyNm01
  3. REAPERのFX追加ウィンドウでF5キーを押してFX一覧を更新
  4. Batteryのドラムマップを使いたい場合は前回の手順を参考にインストール(jnifさんのファイルが使えます)

基本的な使い方

まず、以下の手順でトラックをセットアップしましょう。

  1. TrackパネルのTrackのない場所を右クリックから [Insert virtual instrument on new track...] を選択
  2. JSカテゴリから [sequencer megababy - awesome sequencer v3/jnif - nandy's mod] を追加
  3. 必要に応じてBatteryなどの音源もその後ろに追加
    AddFXs01
  4. トラックのArm(録音ボタン)を右クリックし、[Record: disable (input monitoring only)] を選択してレコーディング時にトラックに何も記録されないようにする
    TrackMonitorOnly01

各ステップの入力はマウスでポチポチとクリックして入力するのでも良いのですが、レコーディングしている状態でMIDIキーボードなどでMIDI Noteを送ってやるとそれが記録されるようになっています。要するにリアルタイムで打ち込めます。上記手順でレコーディング時に何も記録されないようにしたのはこの操作でゴミがトラック上に出来るのを防ぐためです。

また、打ち込み終わってやっぱりMIDI Itemに変換したいという場合は、こちらの記事を参考にMIDI Itemを置いてそこにMIDIバウンスするとよいでしょう。打ち込んだMIDIをMIDI Itemに記録できます。
MidiBounce01


操作方法

詳しい操作方法は別途こちらの記事にまとめました。

スクリプト先頭のコメント部を見ると操作方法などが書いてありますので、興味のある方はそのあたりを見てみるのも良いかと。


番外編:少し改造してみる

っていきなり改造かよ・・・

このへんは上級者向けですので、よくわからなければスキップしてください。というかスクリプトを変更してしまうので何が起きても知りませんから自己責任でよろしくです。あ、もちろんスクリプトファイルをコピペしてバックアップしてから編集しましょうね。

JSスクリプトなので、少し改造してみました。なんとなくフォントが気に入らなかったので、初期化処理(@init)のところにフォント変更処理を1行追加してみました。

(前略)
@init
gfx_setfont(1, "Meiryo", 16);
(後略)

ちと乱暴ですが、Windowsのメイリオフォントに切り替えています。若干文字の表示が下にずれてしまっていますが、まぁ許容範囲かなと。
ModifyNandysMod01

あとはスクリプト最初のコメント部の次に、desc: というスクリプト名を記述する場所があるので、そこを変更してFXウィンドウ上で区別が付くように修正しておくとよいでしょう。

desc:sequencer megababy - awesome sequencer v3/jnif - nandy's mod (font changed)

自分のスクリプトを新しく追加した場合は、FX追加ウィンドウでF5押して一覧を更新するのをお忘れなく。


REAPERのステップシーケンサー (1) Megababyとドラムマップ

REAPER付属のステップシーケンサーとその改造版(MOD)などの情報をまとめておきます。ステップシーケンサーのMOD!? と思うかもしれませんが、REAPERのステップシーケンサーはJSスクリプトで出来ているので、頑張れば自分で改造できてしまうのです。


REAPER付属のステップシーケンサー

REAPERには標準でステップシーケンサーがいくつか付属していますので、まずはこれらを軽く紹介します。このステップシーケンサーはMIDI FX扱いなので、FX追加ウィンドウのAll PluginsかJSカテゴリの中を探すとあります。


MIDI Sequencer Baby

もともとREAPERに付属していたもので、無印のバージョン1とバージョン2(v2)があります。

SeqBabyV1
JS: MIDI Sequencer Baby

SeqBabyV2
JS: MIDI Sequencer Baby v2

見た目はスッキリですが、機能としてはちょっと物足りないかなという感じです。実際、後述のMODが良くできているので、恐らくこれら古いバージョンを使う機会はないでしょう。ただ、もし自分でMODが作りたいというのであれば、これらはプログラム自体もシンプルなので参考にしやすいのではないかと思います。


MIDI Sequencer Megababy

これも現在ではREAPERに付属していますが、もともとはjnif氏が作成したMOD版(sequencer_baby_v2_jnif)のようです。

SeqMegababy

左側にピアノロール・ドラムマップ表示が追加されたり、Note毎のパラメータ設定が出来たりと、かなりパワーアップしています。

これについては過去に後正面氏のブログにて紹介されているので細かくは説明しませんが、ここまでくると結構機能も増えて実用に耐えそうな感じですね。


Megababyのドラムマップについて補足

NI Battery 3/4用のドラムマップファイルインストール方法

Battery4
↑ NI Battery 4

Megababyのスクリプトを開くと分かりますが、jnifさんが配布していたものに付いていたNI Battery 3/4 用のドラムマップファイルは、REAPERには付属していません。REAPER公式のResourcesサイトで配布されている sequencer_baby_v2_jnif.zip に含まれているので、以下のリンクのページからダウンロードしましょう。

DownloadBabyv2jnif

ダウンロードしたzipを解凍するとseqbaby_data というフォルダがあるので、これをREAPERリソースフォルダ(REAPERのメニューから [Options>show REAPER resource path in explorer/finder...] で開く)にある Data フォルダ内にコピーすればインストール完了です(既に_Default Kit.txtだけがあるseqbaby_dataフォルダがあるかと思いますが、上書きでOK)。
CopyBatteryDrumMap
↑ こんな感じの配置になるようにコピー

Battery 3/4標準付属のドラムキット全部に対応しているのか確認してはいませんが、Batteryをよく使う人は試してみると良さそうです。


ドラムマップファイル作成方法

各ドラムマップのテキストを開くと分かるように、各行にMIDI Note番号と表示名をTab文字で区切って列挙しただけのシンプルなファイルなので自分で作ることも可能です。Batteryに限らず他のドラム系プラグインと一緒に使う場合でも、頻繁に使うキットのドラムマップを作っておけば便利そうです。

もちろんテキストエディタで一行ずつ入力していくのもよいのですが、ここではExcelを使う方法を紹介しておきます。Excelなら連番入力なども入力しやすいですし、REAPER関連の設定ファイルはテキストで出来ていることが多いので、他でもこのやり方が役立つ場合があります。

また、ExcelはバージョンによってGUIや手順が若干違うかもしれませんので、そのあたりは適宜読み替えて下さい。

まずは既存のドラムマップファイルをExcelで読み込む方法。

  1. Excelでファイルを開く時に、ファイルの種類を [テキスト ファイル(*.pm;*.txt;*.csv)] に設定して、ドラムマップのテキストファイルを開きます。
    ExcelLoadText01
  2. ウィザードの[元のデータ形式]で [カンマやタブなどの区切り文字によってフィールドごとに区切られたデータ] を選択して [次へ]。
    ExcelLoadText02
  3. ウィザードの[区切り文字]で [タブ] を指定して[次へ]
    ExcelLoadText03
  4. 列のデータ形式は標準のままで問題ないかと。これで[完了]
    ExcelLoadText04
  5. 読み込めた状態
    ExcelLoadText05

そしてExcelからの書き出し。こちらは簡単で、ファイルに名前を付けて保存から [ファイルの種類] に [テキスト (タブ区切り) (*.txt)] を選択して保存するだけです。
ExcelSaveText01

先頭に1つ追加してみた例
ExcelSaveText02

簡単ですね。


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