LaunchPad

PeloReaper Extensionの情報やダウンロードはこちらからどうぞ。
PeloReaper Extension for REAPER is here.
ReaperBanner01_w250 AudioSoftBanner01_w250

REAPERでLaunchPadMiniを使う (2)

今回もLaunchPadMiniを使う方法ですが、前回の記事の最後で触れていた「別の方法」を試したので、書いておこうと思います。
ネタはいたってシンプルで、JSFXの[JS: MIDI Map To Key v2]を使うだけです。

MIDI Noteのマッピング方法

[JS: MIDI Map to Key v2]を使うと、MIDI Noteメッセージをある変換テーブルで任意のNoteに変換してやることが出来ます。これをFXChainの最初の方に挿しておけば、それ以降のFXにはマッピング後のNoteが送信される訳です。

MIDIMapToKey_FX01
 ↑ 最初にMIDIをMappingして、VSTiには変換後のMIDI Noteが送信される

あとは [JS: MIDI Map to Key v2] の[Mapping File]に設定するkeymapファイルを用意できれば終わりなのでカンタンですね…。そう、簡単なんですが、これがまぁだいぶ面倒だったりします。

Keymap設定ファイルはREAPERリソースフォルダ(REAPERメニューから[Options>Show REAPER resource path ...]で開ける)以下にある [Data/ix_keymaps] に置くことになります。デフォルトで [00 - Default Mapping.txt] というファイルが置いてありますが、これがNote無変換のいわゆるテンプレになっていて、このファイルをコピーして自分独自の設定を作ります。

自分の設定はこのテキストファイルの各行一番左の値を変更することで行います。
まずはLaunchPadMiniのどのPadがどれに対応しているか把握し、それぞれどのノートに割り当てるかを記述していけばOK。といいつつ四角のPadだけでも64個あるのでそこそこ大変です。
これを様々なスケールに対応したり、スケールのルートに応じて配置ずらしたいとか言い始めると作業量が一気に爆発します。

・・・こんなのイチイチ全部やってられるかと。

設定ファイルの作成

そこでこのファイルの中身をよく見ると、Tab区切りのテキストなんですよね。
あーこれならあいつが使えるかも?
ってことでExcelの出番です。 ※Excel2016使用
ファイルメニューから[開く]でファイルのタイプを[テキストファイル]形式にして、上記テンプレファイル(01 - Default Mapping.txt)をコピーしたものを開きます。
どういうテキストファイルか聞かれますが、タブを読み取る的な設定にしてやれば大丈夫です。

MIDIMapToKey_ExcelTxt01

MIDIMapToKey_ExcelTxt02
 ↑ インポート設定はこんな感じ(デフォルトのままいじってないです)

これでめでたく読み込めました。
MIDIMapToKey_ExcelTxt03

あとは表計算機能を使って、ルート音から各パッドのNoteを決定してやるように式とかを書いていけば結構楽になります。特にセル選択カーソル右下の四角を引っ張って連続でセルを記述していく機能をうまく使えるように工夫すると、劇的に作業量が減ります。

自分はこのシートの下の方(MIDI Noteマッピング設定の終端より下)にパッド割り当てのテーブルを一旦作って、それを各ノートの値の部分が参照するようなものを作りました。
これによって、
・ルート音のNoteを変えるだけで全体をずらすことが出来る
・様々なスケールやクロマチック設定も最小限の設定変更だけであとは自動的に反映可能
というところまでは実現出来たので、満足しています。
QS_20180907-024622

もうちょっとExcelに詳しい人はもっとスマートな方法知っていそうですが、自分はこんなので精一杯。
ちなみにこういったパッドマトリックス系デバイスでよく実装されているScaleModeとかChromaticModeとかありますが、それぞれ配置規則が違うので、上の図のPadテーブルに相当するところはそれぞれ別の式を埋めてやる必要があります。
つまりそれぞれの配列方式毎に個別にシートを用意する必要があるということですね。

ということでこんなExcelシートが出来てNote設定が意図した感じになったら、あとはタブ区切りのテキストファイルとして保存してやればkeymap設定ファイルの完成です。
(Excelの[ファイル>名前を付けて保存]から[テキスト(タブ区切り)(*.txt)]で保存)
Note設定より下に、上記のテーブルとかコメントとかが書き出されてしまいますが、[JS: MIDI Map to Key v2]では参照されないらしく、特に動作に影響ないのでわざわざ消してやる必要がないというのもラッキーというか扱いやすいところです。
MIDIMapToKey_ExcelTxt04
 ↑ Excelから書き出されたテキストファイル(タブ区切り)

あとはこれをリソースフォルダの Data/ix_keymaps に配置してやれば利用できます。
だいぶ面倒に感じるかもしれませんが、Excelファイル作成のコツが分かってしまえばあとはいろんな応用が利くので、興味のある方は是非トライしてみて下さい。
例えば機材メーカーが提供しないようなスケール定義やパッド配列定義も自由自在に可能です。
ちなみに自分は以下のものを作りました
・とにかくレンジを広くするための設定(例えばC1~C9までのスケール割り当て用)
・ChromaticなScaleMode配列の設定
LaunchPadMiniはベロシティ感知がないので用途が限られますが、ここまでやるともはやLaunchPadPro(Velocity&Pressure感知付き)が欲しくなってきてしまいますねw
自分はREAKTORのThe Finger用に上記設定(特に前者)を作りました。まぁこの場合Finger側Snapshotも全部設定を設計しないといけませんが・・・。


以上が今回試した、LaunchPadMiniをREAPERで手動設定して使う方法、になります。
まぁこんな面倒なこと普通の人はやらないか(やる必要がない)。
でもMIDI Noteのマッピング方法はいろいろと応用も利くので、参考になるのではないかと思います。

REAPERでLaunchPadMiniを使う (1)

以前Ableton Liveを使い始めようとした時に買ったLaunchPad Mini。
結局Liveはあまり使わずにREAPERに傾倒してしまったので放置してました。
今回これを引っ張り出してみたので、備忘録としていろいろ軽く書いておきます。
ちなみにうちの環境はWindows10(1803)です。

まずLaunchPadをPCで使えるようにしてやれば、ボタンを押したときにMIDIノートを出力してくれて
「おお、いいじゃないか」
と一瞬思うのですが、なんかおかしい。
出力しているノートを調べると、1行目のパッドは右側のボタンも含めて0~8、2行目のパッドとボタンは少しとんで16~24、…という感じに1行ごとに16の倍数から始まるパターンになっていました。
「どうしてこうなった・・・」
という感じですが、他のこのテのパッドマトリクス系デバイスってみんなこうなんですかね?
で、軽くググると公式でAutomapというパッドカスタマイズツールが配布されていて、それを使えばLive以外のDAWでも使えるようになるとのこと。

今回はこのAutomapを入れてみました。
結論から言ってしまうと、Automapはしばらくいいやってことになったのですが、使いたいという人もいるかもしれないので、ご参考までに。

Automapのインストール

Automapの公式ページもしくはサポートページからダウンロードしてインストールすればOK。

さて、いきなりですがここから運が悪いと悪夢の始まりです。( ゚∀゚)
自分のPC環境ではLaunchPadMiniをAutomapが認識してくれませんでした。
自分が試した範囲だと、4.11、4.10は認識せずで、4.9、4.8は認識しました。
が、4.8はパッドの設定画面が出たり出なかったりと謎挙動でNG、結局4.9が自分の環境ではなんとか正常に動作しているという状況です。
(4.8→4.11→4.10→4.9 の順でインストール&アンインストールを繰り返しました)
Automap_ver
まぁ問題なく最新版が動作したような人はこのへんスルーでいいですね。

AutomapとREAPERの接続

次はREAPER側のセットアップですが、Automapの[Software Setup]タブを開いて、リストからREAPERを選択し、デバイスを[Launchpad]で[Setup REAPER]ボタンを押すと、あれやれこれやれという説明が出るので、その通りやればOK。
Automap_01

・VSTプラグインに対して有効にするか聞かれる
 → 後で手動でやればいいので[Skip]
・REAPERのPreferencesを開き、[Control/OSC/web]でコントロールサーフェスの追加
 → [HUI (partial)]を選んで、MIDI input, outputをそれぞれ[Automap HUI]にする
 → Preferencesを[OK]ボタンで終えて、REAPERを再起動
これでセットアップダイアログの説明が完了するのですが、ここでもエラーが出ました。
Automap_HUIError
NovationのHelpセンターに対処法が載ってるのでそれをもとにしてやると、MIDIデバイス設定でMIDI In, Outの[Automap HUI]を両方とも無効にすればよいとのことなのでOFFにする。
Automap_midihui
これでやっとAutomapとREAPERが繋がるようになりました。

Automapの設定

■有効にするプラグインの選択
Automapの[Software Setup]タブに[Setup VST Paths...]ボタンがあるので、クリックして自分の環境でのVSTプラグイン配置場所パスを追加してやります。
これで、このボタンの下にあるリストから[VST]、[VST3]、[RTAS]などを選んで、Automapを有効にするVSTを選ぶことが出来ます。
が、このへんプラグインによって動作がどう違うとかそのへんはちゃんと検証してません。
(使わないことに決めたのでもういいや・・・となりましたごめんなさい)

■パッドのカスタマイズ
Automapの[Mixer/Plug-in Mappings]タブでリストから[Launchpad Mini]、[HUI]を選んで[Edit Mapping...]ボタンを押すと、カスタマイズ用のEdit Mappingウィンドウが出てきます。
(自分の環境だとAutomap 4.8でこのウィンドウが表示されたりされなかったりしてました)
Automap_mapping01
ちなみに↑の例だと Chan.16 というのが出てますが、MIDI用のカスタマイズをするため[Software Setup]タブの[Advanced]を選んで、[MIDI channels]で16にチェックを入れたのでこうなっています。
Automap_Midi01
ちゃんと使いたい人は公式にあるマニュアル読んで把握してから使った方がいいかもですね。
(自分はなんかそれっぽく動いたというところまでしかやってないので・・・)

で、Edit Mappingウィンドウはこんな感じ。
Automap_mapping02
LaunchPad上部のボタンで切り替えられる設定ページを増やしたり、PCのキーボードショートカットを割り当てたりと、頑張って使えば結構使えそうな印象でした。
あと機能を割り当てたところはパッド側が光るようになるので綺麗&カッコイイとかいったところもポイント高いと思います。
恐らくですが、Live以外でLaunchPadの性能を十分に引き出すにはこのツールが必須と感じました。

その他もろもろ

ひとまず上記のような流れでAutomapをインストールすれば、LaunchPadMiniもカスタマイズができて便利に使えそうなことが分かりました。

とはいえ自分が使わないと決めたのは、自分の環境だと多くのバージョンが正常に動作せず、将来使い続けるのに大きい不安を感じたからです。あとはGUIでMIDIノートのマッピング設定をするのが面倒だなぁとか、ちょっとしたことであくまで自分の好みの問題です(使い方は分かったので、そのうちちゃんと使ってみてもいいかも)。

今はこのAutomapではなく、別の方法で使えないか検討中です。
それもうまくいったら記事にできるかもしれません。
ということで今回はここまで。
このブログについて
ぺろりがREAPERで遊びたいというだけのブログかもしれない

必ずこちらをお読みください

twitter: @pelori

管理人用
  • ライブドアブログ