設定

PeloReaper Extensionの情報やダウンロードはこちらからどうぞ。
PeloReaper Extension for REAPER is here.
ReaperBanner01_w250 AudioSoftBanner01_w250

REAPERでFX(プラグイン)のデフォルトプリセット設定

普段VSTなどのプラグインで毎回のように使うプリセットがある場合、プラグインの起動時に自動的に選択して欲しいと思ったことはないでしょうか? 「毎回同じような設定してるなー」と感じたら、省力化のためにデフォルトプリセットを検討するいいタイミングかもしれません。

プラグインによってはデフォルト設定を変えられるものもあるとは思いますが、それが使えるかはプラグインやメーカーなどによってまちまちです。 REAPERにはこのデフォルトプリセットを記憶しておく便利な仕組みがありますので、それを紹介します。


プラグインの状態をデフォルトプリセットとして保存する方法

デフォルトの設定としてプラグインの現在の状態を保存するには、FXウィンドウ上部にある[+]ボタンをクリックして [Save preset as default...] を選ぶだけです。ここでプリセット名を好きなように設定すれば完了です(ここでは「MyDefault」に設定したとします)。

DefPreset_Save
DefPreset_SaveName
↑ デフォルトプリセットとして保存(好きな名前を指定)

DefPreset_Load
↑ 次回プラグインを読み込んだらデフォルトプリセットがあらかじめ設定されている状態に

デフォルトプリセットの解除方法

ぱっと見ではデフォルトプリセットを解除するメニューがなさそうですが、デフォルトプリセットとして設定したプリセットを削除することで、解除することが出来ます([+]メニューの [Delete preset])。

DefPreset_Clear

もしプリセットの設定を残しておきたいという場合は、別の名前でプリセットを保存しておくと良さそうです。


(上級者向け)設定ファイルメモ

プリセットやデフォルトプリセットの割り当ては以下の設定ファイルに記述されているようです。これらはREAPERのリソースフォルダにあります。

  • プリセット設定関連
    (REAPERリソースフォルダ)/presets以下
  • デフォルトプリセット割り当て設定
    (REAPERリソースフォルダ)/reaper-defpresets.ini

ほとんどの人はこれらを手動でいじる必要はありませんが、トラブルシューティングの際には役に立つかもしれません。

Meldaプラグイン入門:プラグイン共通ツールバーの使い方

Meldaの各種プラグイン共通で右側にツールバー(Toolbar)が用意されているのですが、これが結構便利だったりするので紹介します。

MeldaToolbar_02

※:プラグインの種類によってはない場合もあるもの


Oversampling(オーバーサンプリング)

プラグイン処理におけるサンプリングレートを引き上げ、エイリアシングを減らすためなどに使用する機能です。

Melda_HQOverSamplingOption

OVERSAMPLINGウィンドウ右上にあるオプション [High-quality oversampling] を有効にしてOversamplingの倍率を上げると、一部のフィルターなどではレイテンシが発生するようです。リアルタイムで演奏を行うといった場合に問題になるようであれば、オプションをOFFにしてレイテンシをなくすことが出来ます。


Channel Mode(チャンネルモード)

プラグインの効果をどのチャンネルにかけるか(例えばステレオのLeftチャンネルにだけかける、など)を選べます。

  • Left + Right
    ステレオ L/R両方を処理する、デフォルトのいわゆる通常設定。
  • Left, Right
    Left / Rightのみに効果をかける
  • Mid, Side
    MS処理で分離した Mid / Side のみに効果をかける
  • Mid + Side
    MidとSide両方を処理(多くの場合 [L + R] と効果が似ていますが、波形の内容によってはステレオ感への影響具合が異なる)
  • Left + Right (neg)
    Rightの位相を反転させて、あとは [L + R]のように両方のチャンネルに効果をかける。左右チャンネルの位相に問題がある場合などに使用(極端なステレオ感が出て耳への負担が大きくなるのと、モノラル互換がなくなるため、常用するようなものではありません)
  • Left / Right / Mid / Side & zero XX
    それぞれ特定のチャンネルを処理して、もう片方は無音にして出力(特定のチャンネルに対する効果のかかり方を確認したりするのに使えます)
  • Surround
    サラウンドで処理を行いたい場合に使用。これを選ぶとプラグインでサラウンドモードを有効にするか聞いてくるので、有効にしたら一旦DAWを再起動する必要があります。一部のホスト(DAW)でサラウンドモードが正常に動作しないため、デフォルトではOFFになっているとのこと。
    また、サラウンドを有効にした後、このメニューに [Surround Settings] という項目が表示されるようになるので、それを選ぶとサラウンドのどのチャンネルを使用するかといった設定が可能です。
    Melda_TBCM_Surround01
  • Ambisonics
    これもSurround同様に有効化して使うモードで、Ambisonicsの波形データをそのまま流して効果をかけられる模様(1~7th Orderまで対応)。REAPERの場合は1Trackで64チャンネルまで扱えるのでフル機能使えますが、多くのホスト(DAW)は対応していないらしいです。

AGC(自動ゲインコントロール)

プラグイン入出力音声のラウドネスを自動的に計算して、入出力の音量感が合うように自動的にゲインコントロールをしてくれる神機能。音量を一定に保ってくれるので音質変化を捉えることに注力できるようになります。

ただし万能という訳ではなく、例えばゆるやかな音量変化が続くトレモロやLFOなどとは相性が悪かったりします。また、ずっとONにしっぱなしにするような機能ではありません。

AGCSet02

ターゲットとなる音声を流しながら [Set] ボタンを押すと、ラウドネス測定後にプラグインのGainノブをAGC適用時の値に自動的に設定してくれます。AGCを使った作業が終わったら [Set] ボタンでGainに焼き付けて完了、という感じに使うと良いのかもしれません。


Limiter(リミッター)

透過的なBrickwall Limiterが搭載されており、クリッピングを防止することが出来るようになっています。音声コンテンツやパラメータ設定によっては音量が大きく上がってしまうと予想されるプラグインの場合に、保険としてONにしておくといった使い方になる感じでしょうか。

これもLimiterとしての処理負荷や若干のレベル変化を伴う場合があるので、「とにかく毎回ONにしておく」といった使い方は推奨されていません。


A-H Preset Selector(A~Hプリセット切り替え)

プラグインの設定を同時にA~Hの8個保持出来、瞬時に切り替えていわゆるA/B比較が出来るようになっています。

Melda_TBAHPreset01

また、直下の [A/B] ボタンを押すことで、直前に切り替えた2個のプリセットを繰り返し切り替える事ができて便利です(A、Dと順に切り替えていたら、A-D-A-... という感じに切り替わる)。

更にA~Dの4つは以下のモーフィング機能でも利用されます。


Preset Morph(プリセットのモーフィング)

四角いMorphingのボタンを押すと、ABCD MORPHINGウィンドウが表示されます。丸い印を動かすことでA~Dに登録されたプリセット間のパラメータモーフィングを行えます。

Melda_PresetMorph02

この機能は現在のプリセットのパラメータを上書きで変更してしまうため、E~Hのプリセットを選択してから使うのが望ましいです。使う手順としては以下のような感じ。

  1. A~Dのスロットを選択してそれぞれMorphingに使いたいPresetを読み込む
  2. スロットEを選択し、ABCD MORPHINGウィンドウを表示してMorphingを行う(EにMorphingの結果が設定される)

また、MXXXなどのModularを含むプラグインについてはMorphingの都合上、A~Dのプリセットのモジュール構成などを一致させる必要があったりします。


Copy / Paste(コピー・ペースト)

現在のPresetの内容をコピー・ペーストすることが出来ます。

それだけだと普通なのですが、Ctrlキーを押しながらボタンをクリックすると、PresetをファイルにSave/Loadが出来たりします。Shiftキーを押しながらPasteボタンを押すと、A-HのPresetに一括Pasteも可能です。

さらに面白いのが、MeldaのプラグインのPresetコピー機能はクリップボードにテキストとして保存しているという点で、メールやフォーラムに貼り付けて他の人と共有するといったことも出来ます。MXXXなどのModular構造を含むプラグインは情報が膨大になり得るためクリップボードに収まりきらなくなることがあるのですが、そういった時はファイルへ保存する方法が適しています。


Undo / Redo(アンドゥ・リドゥ)

プラグイン上でのパラメータ変更をUndo/Redo出来ます。


Diff(効果差分を聴く)※

プラグインの入力・出力の差分で変化した分の波形を聴くことが出来ます。どういったタイミングでどの程度プラグインの効果が強くかかっているかなどの参考になります。


MIDI(MIDI設定)※

MIDIの設定ウィンドウが表示されるボタンです。本記事では割愛しますが、プラグインのGlobal PresetをMIDIコントローラで切り替えるといった便利な機能も搭載しています。

Melda_MIDIPresetSwitch01

WAV(WAVファイルに一括適用)※

ファイルを指定し、プラグインの効果をかけて保存するという機能です。[WAV]ボタンをクリックするか、音声ファイルを[WAV]ボタンにドラッグ&ドロップ(複数ファイル可)すると、効果が適用されて保存されます。

wavファイルは上書きされてしまうので注意(元のファイルを取っておきたい場合はバックアップをとっておきましょう)

wavファイルを入力した場合は元のフォーマット設定で、MP3ファイルなど別の形式の場合は32bit Floatで別途wavファイルが保存されます。

どのようなワークフローでこの機能を使うのが良いのかまだはっきりしないので試行錯誤中という感じですが、DAWでわざわざレンダリングしなくて済んだり、テストでいくつかのwavファイルを一括処理してみたりといったこともサクッと出来ますし、いざという時に便利そうです。


IR(IRファイル作成)※

Reverb等のプラグインの場合、プラグインの設定状態からIRファイルを生成することが出来ます。

生成したIRファイルを使ってみると分かりますが、元のReverbの完全な再現とまではいかないので再現度は期待しすぎない方がよいでしょう。

ただし、Meldaのプラグインが使えない環境にIRファイルを持って行って使うことが出来るので、ある程度満足のいく響きのIRファイルが作れれば利用価値がありそうです。例えば近年発売されているハードウェアエフェクターなどはIRファイルのインポートが出来たりします。

REAPERなら標準で付属のReaVerbのファイル読み込みでIRが手軽に利用できますし、要は使い方次第、という感じですかね。



Meldaのプラグインには上記の機能が共通でついてきます(プラグインによってないものもあるけど)。このツールバーだけでもいかに多機能かということが分かりますし、少なくとも筆者の所持しているプラグインスイート系のもので、ここまでの機能が共通で揃っているものは他にありません。

Toolbarだけではありませんが様々な機能が他では替えが効かないということもあり、筆者の場合は結局Meldaのプラグインばかり使うようになってきてしまいました。Meldaのプラグインは、あらゆるルーティング設定を手動で自由に出来るREAPERとの相性もぶっちぎりで良いと感じています(感じ方には個人差があります)。皆さんもご興味あれば是非使ってみて下さい。



Meldaプラグイン共通の基本的な使い方を知っておきたいという場合はこちらもどうぞ。

基本的な使い方(初心者向け)前編
基本的な使い方(初心者向け)後編

REAPERでFXマルチアウトTrack自動作成

NIのREAKTORやKONTAKT、UVI Falcon、ドラム系Instrumentなど、プラグインから各種パートの楽器を個別にオーディオ出力できるプラグインが多数あります。また、MXXXなどのようにFXでもマルチアウトが可能なものも存在します。今回はREAPERでこれらのようなマルチアウトを扱えるFX(VST・VSTiなど)の一般的な設定について説明します(プラグイン個別の設定には触れません)。

MultiOut_BM03

また、本記事ではTrack間のAudioルーティング設定およびTrack内部のFXチャンネルルーティング設定が当たり前のように出てきますので、そのあたりをご存じなければ以下の記事などを参考にしてみて下さい。




FXからのマルチアウトTrackの自動作成

REAPERではマルチアウトが可能なプラグインについては、FX一覧で出てくる名前に (XX out) もしくは (XX→YYch) といった表記が出てきます(後者はXXin→YYoutという意味)。

FXMultiOutable

とはいえ、表記がなくても自分でマルチアウト設定可能なプラグインもある(VST3版MXXXなど)ので、上記の表記がなくてもマルチアウト可能な場合があったりします。それらプラグインの仕様はそれぞれのプラグインのマニュアル等を確認して下さい。

マルチアウトTrack自動生成方法

マルチアウト可能なFXについて、その出力を個別のTrackに出力(センド)したい場合、以下の手順で出力先Trackを自動生成出来ます。

  1. マルチアウト出来るFXをTrackに挿入
  2. 挿入したFXをFXChain上で選択し、右クリックから以下のメニューを選択
    Build multichannel routing for output of selected FX...
    MultiOut_BM01
  3. Trackを自動生成する旨の確認ダイアログが表示されるので [はい(Y)]
    MultiOut_BM02
    この時「Could not get channel info for effects (are they multichannel?)」といった表記が出てTrack作成出来ないという場合は、FX出力チャンネル数が2outという状態になっているので、それよりも多くのチャンネルをTrackに持たせて(4ch以上にするなど)やり、FXからも4ch出力が出来る状態がFX Chanel Matrix上で確認できればうまくいくと思います。
  4. あとは個別のFX(プラグイン)のマルチアウト設定が適切であれば、個別のTrackに音声が流れるようになっているはずです。
    MultiOut_PlayBM01
    (※例えば上記の画像の例で出しているUjam Beatmakerだと各楽器の出力を[Individual]にプラグイン上でセットする必要があります)

ちょっと難しめの話(よく分からなければスキップでOK)

ちなみにこのマルチアウト用Track間ルーティングで注意すべきところは、FXChainの個別のFXから直接別のTrackに音声が送信されている訳ではないという点です。あくまでFXが使っているTrack内のチャンネルが別の新規Trackにルーティングされるというだけです。

FXChainで複数のFXを挿入(順にFX1,2とする)しそれらのFXが同じオーディオチャンネルを共有している場合(要するにFXを挿入しただけの状態で、どちらも1/2チャンネルを使っているという場合)を考えてみます。この時、FX1を右クリックして上記操作で別の新規Trackに音声を出力しても、そこに送られるのはFX1→FX2を通った結果の音声になります。要するにFX1の位置での音声を抜き取れるという訳ではなく、あくまでTrack間のルーティングを自動設定してくれるだけ、という感じです。


このブログについて
ぺろりがREAPERで遊びたいというだけのブログかもしれない

必ずこちらをお読みください

twitter: @pelori

管理人用
  • ライブドアブログ