ルーティング

PeloReaper Extensionの情報やダウンロードはこちらからどうぞ。
PeloReaper Extension for REAPER is here.
ReaperBanner01_w250 AudioSoftBanner01_w250

REAPERのチャンネルルーティング制御用FX

今回はREAPERでTrackのチャンネルを切り替えたり、チャンネルルーティング設定を行うためのFX(JSFX)を紹介します。地味なユーティリティではありますが、いざという時にかなり役立ちます。


JSFXについて

JSFXはREAPERのスクリプトベースのエフェクト機能で、VSTなどのエフェクトと同様に扱えるものです。FX挿入時に、[All Plugins] か [JS] という項目の中にあります。

AddFX_JSFX

Channel Mapper-Downmixer

ChannelMapper01

これはいわゆるChannel Matrixで、各入力チャンネルを任意の出力チャンネルに出力することが出来ます。以前こちらの記事で紹介したMeldaのプラグイン、MChannelMatrixと同じような機能ですね。

基本的な使い方はTrack FXに以下のJSFXをインサートして、チャンネル入出力のチェックを設定するだけです。

JS: Channel Mapper-Downmixer (Cockos) [utility/channel_mapper]

信号の流れはマトリックスの上から入力音声が入ってきて、チェックを入れた場所から右側へ出力されていくという感じです。音声を流すと、■の中に音量を表す緑色の点が表示されるので、分かりやすくなっています。

ChannelMapper_InOut

いくつかオプション設定などもあるので、順に見ていきましょう。

  • Channels:チャンネル数
    Trackのチャンネル数設定です。変更すると実際にTrackのチャンネル数が変更されます。
  • Unmapped outs:出力へマッピングしなかったチャンネルの扱い
    出力チャンネルに何もルーティングしなかった(横方向に全くチェックが付いていない行)場合に、何の音声を出力するかを選ぶことが出来ます。
    • Pass through
      その出力チャンネル番号に対応する入力チャンネルの信号をそのまま流します。つまり出力2chであれば、入力2chの音声が出力されます。
    • Zero out
      そのチャンネルからは何も出力されないため、無音となります。
  • Downmix:Downmix時の音量オプション
    同一の出力チャンネルに複数の入力チャンネルがルーティングされた場合、それらの音がDownmixされて出力されますが、その際の各入力チャンネルに適用される音量調整値を設定できます。
    • None
      音量調整を行いません。
    • Shared ins -3dB
      音量調整値として-3dBが適用されます。
    • Shared ins -6dB
      音量調整値として-6dBが適用されます。
    • User mix
      音量調整値を入力チャンネル毎にスライダーで調整出来ます。
  • Reset
    各種設定を初期設定に戻します。
  • Clear
    マトリックスのチャンネル指定のチェックを全て外し、User mixの値も全てクリアします。

Channel Router

ChannelRouter

Channel Routerは、入力チャンネルのペア(1ch+2chなどのステレオ信号)を別の出力チャンネルのペアに流す機能です。以下のJSFXをインサートして設定を行います。

JS: Channel Router w/Polarity [IX/PhaseAdjustingRouter]

各種設定項目は以下の通りです。

  • Input Channels
    入力チャンネルのペア指定。
  • Polarity Mode
    ステレオのどのチャンネルを反転させるかで、Normalは反転なし。
  • Output Channels
    出力先チャンネルのペア指定。
  • Output Mode
    出力先チャンネルに流れている信号とのMix方法。
    • Replace
      [Input Channels] の信号で完全に置き換えます。
    • Merge
      元から流れている音声と [Input Channels] の音声がMixされて出力されます。

8-Channel Input Switcher

8ChannelsInputSwitcher

これは8チャンネルを使用した4つのStereo音声のどれか一つを選んで出力するというSwitcherです。各ステレオ入力の音量も調整できます。以下のJSFXをインサートして設定を行います。

JS: 8-Channel Input Switcher [IX/Switcher2]

各種設定は以下の通りです。

  • Output Source
    出力するStereoペアのチャンネルを指定できます。
  • Level 1+2/3+4/5+6/7+8 (dB)
    各Stereoペアの音量調整が可能です。


これら以外にも、REAPERのJSFXにはチャンネルに対する操作を行うFXがありますので、いろいろと試してみると新たな発見があるかもしれません。


MeldaのMChannelMatrixでチャンネルルーティング

MeldaProductionが出しているフリーのプラグインバンドルMFreeFXBundleには、いろいろと便利なプラグインが含まれています。今回はその中の一つMChannelMatrixを紹介します。


MChannelMatrixについて

MChannelMatrix01

MChannelMatrixはMeldaProductionから無料配布されているプラグインで、入力オーディオのチャンネルを指定のチャンネルに切り替えて出力するプラグインです。例えば、2chのステレオオーディオなら、LとRを入れ替えるとか両方のチャンネルをLの音にするとかいったことが可能です。

ステレオ入出力だけでなく8chなどのマルチチャンネルにも対応していますので、例えば2chの音源を4chの各チャンネルに振り分けたり、特定の目的で(例えばサラウンドのチャンネル順の修正等)チャンネルを入れ替えたりといった様々な用途に利用出来ます。

↓ MeldaProductionのMChannelMatrixについてのページはこちら

プラグインのインストール方法

MeldaのプラグインはMeldaProductionのDownloadページにあるインストーラーを使ってインストールします。インストーラーは1種類しかなくて、それにすべてのプラグインが含まれています。

インストールの途中でどのプラグインを入れるか指定するところがあるので、そこでMFreeFXBundleをクリックしてやれば、フリーのプラグインが選択されてインストールされます。

インストール方法の詳細は過去にまとめてあるのでそちらのページをご覧下さい。


MChannelMatrixの使い方

ここではREAPERでどのように使うかを示します。

基本的な使い方

MChannelMatrixの使い方は簡単で、Track FXにインサートして、入出力チャンネルの対応付けチェックを設定するだけです。

マトリックスの見方は、左側から各チャンネルの入力音声が入ってきて、チェックを入れたところから下方向の出力先チャンネルに出ていくという感じです。縦一列に全くチェックが入らない場合、そのチャンネルからは何も出力されないことになります(そのチャンネルが無音になる)。

MChMtx_InOut

[Volumes]というところをクリックすると、マトリックスに出力音量設定が表示されます。音量もここで調節したいという場合に使用します。

ChMtx_Volumes

SIDE-CHAIN側のマトリックスで、サイドチェイン入力についてもチャンネルルーティングを行えますが、普段滅多に使うことはないでしょう。


マルチチャンネル(サラウンド)での使い方

マルチチャンネルの場合2chより多くのチャンネルを使用するため、Trackのチャンネル設定などいくつかセットアップする必要があります。例えば8チャンネルを使用する場合、以下のような手順でセットアップします。

  1. Trackのオーディオチャンネル数設定
    Trackの[Route]ボタンをクリックし、[Track channels]を8に設定します。
    TrackCh8
  2. FXへの音声入出力ルーティング設定
    MChannelMatrixのFXを表示した状態で、FXウィンドウ上部の [8/16 in 8out] をクリックして、プラグインの入出力設定を行います。通常はデフォルトで以下の画像のように正しく設定されているハズなので、ここでは確認するだけです。
    TrackFX_InOut
  3. MChannelMatrixのサラウンド機能有効化設定
    MChannelMatrix右側のプラグインツールバーにある、Channel Modeでサラウンドを有効化([Activate Surround]で有効化し、一旦DAWを再起動する必要あり)して、その後Channel Modeを [Surround] にします。
    このプラグインツールバーのChannel Mode設定方法についてはこちらの記事で解説しているので、参考にしてみて下さい。
    MChMtx_ChModeSurround
    サラウンドに切り替えるとこうなります。
    MChMtx_Surround

これでセットアップが完了したので、MChannelMatrixをマルチチャンネルで使用できます。使い方はチャンネル数が増えただけで、ステレオの時と変わりません。


REAPERのTrack間ルーティングとサイドチェインの基本 (1)

ReaperTracks01

REAPERのTrack間およびTrack内でのシグナルルーティングはガッツリ手動で設定が出来るため、非常に柔軟性が高いです。ルーティングの仕組みをしっかり理解すればするほど、自分の思い描いた信号処理が可能になります。

今回はルーティングの最も基本となる基礎知識と設定方法の解説を行い、次回ではFX(プラグイン)側での受け取り方の例としてReaCompを使ったサイドチェインコンプレッションのセットアップ方法を説明していきます。


Trackで扱う信号に関する基本事項

扱える信号の種類、チャンネル

REAPERではTrackでオーディオとMIDI両方の信号を一緒に流すことが出来ます。最初は意味がよく分からないかもしれませんが、「へー、特に区別がないんだな」くらいに認識しておけばOKです。

ちなみにオーディオは1Trackあたり内部に64チャンネルまで持つことが出来、自由に信号を流すことが出来ます。これは「最終的なオーディオデバイス出力のチャンネル数とは関係なくTrackで多数のチャンネルを保持できる」というもので、これら全チャンネルが音声デバイス出力に出力されるかというとそうではありません。例えば出力デバイスが2チャンネルまでしかなければ、それより多いチャンネル数のTrackを作っても3チャンネル目以降はヘッドホンなどに音声出力されることはありません。

では(上記の例でいうと)3チャンネル目以降は意味がないのかというとそうではなく、様々な信号処理を行うのに利用出来ます。他のTrackから音声を受け取ってサイドチェインコンプをかける、というのはその手法の一つです。

TrackChannels01_2

Trackまわりの基本的な信号の流れ

Trackは一見ただ並んでいるだけという感じに見えますが、実際には簡単な階層構造になっており、Trackの親子関係が存在します。MasterTrackが全てのTrackの親になっていて、それ以外のTrackを普通に並べただけであればそれらは全てMaster直下の子Trackたちであるということになります。

TrackSendMaster01

音声信号などはデフォルトで全てTrackから親Trackへと自然に流れていき、最終的にMasterTrackでまとめられたものが音声デバイス(スピーカーなど)に出力されるという流れになります。

更にTrackはフォルダを組んで更に階層を深くしていくことが出来、深いツリー構造を形成することも可能になっています。慣れると直感的に音声信号を束ねたり出来て便利ですが、詳細はまた別の機会に。

説明が難しく感じたかもしれませんが、Trackの信号が子供から親に流れる、ということだけは押さえておきましょう。


Track間でのシグナルルーティング

上記で説明した子Track→親Trackの流れとは別に、任意のTrackにも音声を同時に流したいという場合はTrackからTrackへ音声をセンド(送る)することが出来ます。

各種信号を別のTrackへセンド

あるTrackから別のTrackへ信号をセンドするのは簡単で、Trackのパネル状にある [Route] ボタンをマウス左ボタンのドラッグで送りたいTrack上にドロップするだけです。

TrackSend07

そうするとセンドの設定ウィンドウが出てきて、送信元のどのチャンネルを送信先のどのチャンネルに送るかといったことを設定出来ます。このウィンドウはウィンドウ外の場所をクリックするとすぐ消えてしまいますが、送信元の [Route] ボタンをクリックすればセンド設定のところでいつでも設定をやり直したり、センド設定を解除([Delete]ボタン)することが出来ます。

TrackSendSettings01

細かいところですが、センド設定を行うとTrackの [Route] ボタンの模様が変化し、Send/Receive/ParentSend などの設定状態が簡易的ですが確認できるようになっています。

TrackSendRouteBtn01

親Trackへの信号送信設定

既にTrackは自然と親Trackへ信号を送るといった説明をしましたが、親に信号を送らないといった設定も出来ます。

[Route] ボタンをクリックして出てくる設定ウィンドウの左上に [Master send] というチェックボックスがあり(自分でTrackフォルダ階層を作った場合は [Parent send])、これのチェックを外すと親に信号を送らなくなります。他のTrackにセンドもしていなければMasterTrackへこのTrackの信号が到達することはなくなり、音声出力から音が出ることもなくなります。

TrackSendParent01

普段このチェックボックスをOFFにする機会は少ないかもしれませんが、例えばサイドチェイン専用の音声信号を作ってその音声自体は鳴らしたくない、などといった場合にOFFにすることになるかと思います。



今回はTrack周りに関するシグナルルーティングについて最低限知っておくべき部分に触れたので、次回はサイドチェインコンプのセットアップに進みます。


このブログについて
ぺろりがREAPERで遊びたいというだけのブログかもしれない

必ずこちらをお読みください

twitter: @pelori

管理人用
  • ライブドアブログ