前回の記事ではユークリッドリズム系のScript ProcessorであるEuclidean Drum Sequencerを紹介しましたが、今回はその兄弟版のようなものにあたるEuclidean Tonal Sequencerを取り上げてみます。

Euclidean Tonal Sequencerの使い方

Euclidean Tonal Sequencerはユークリッドリズムをもとにして演奏するシーケンサーですが、前回紹介したものがワンショットの音をトリガーするだけなのに対し、設定したスケール上の音を演奏してくれるものになります。複雑なリズムが作れるアルペジエーターという感じでしょうか。
ETS_Main01

で、記事を起こしておいてなんですが、実は概念と使い方の8割くらいは前回と同じなので、まずは前回の記事をご覧ください。

ユークリッドリズムなどの基本が把握出来たら、あとはTonal側固有の設定を見てみましょう。

  • 各パート一番右にあるDEGREE
    これは今押しているNoteに対して、スケール上の相対で何度に対応する音を鳴らすか。ざっくり説明でいうと、I がMIDIキーボードのキーを押している音、II ならスケール上の次の音に対応する感じ。8vaが付いているものは1オクターブ上の音になります。
  • KEY
    スケールのルート音を指定
  • MODE
    使用するスケールを指定
  • GATE
    トリガーしたNoteを演奏する長さ。シーケンスを再生しながらいじってみれば感覚で分かるかと。
  • 再生方法
    右上の三角ボタンではなく、MIDIキーボードなどでNoteを入力するとシーケンスが再生されます。

あと、原則として設定したスケールの音しか出なくなります。スケールから外れたNoteをMIDI入力した場合、何も演奏されないので注意。

Keygroupの設定については、全音域に1つでもいいし、Note毎とか音域とか任意の区切りで複数作って、組み合わせで複雑な音色にするのもアリかと思います。このあたりの凝り方は一般的なArp系音色を作る場合と同じですね。

まぁ一から音色作らなくても、適当なプリセットを選んでから、Program層にこのEuclidean Tonal Sequencerを追加して鳴らしながら音色調整、というのが一番ラクかな。



今回のやつは前回の延長上というか、使い勝手はほぼ同じなので簡単でしたね。スケールまわりが言葉の説明だとしっくりこないかもしれませんが、要するに「そのスケールの音しか鳴らない」というだけなので、少し使ってみると容易に理解できるのではないかと思います。