UVI Falcon2の新機能でDrum Sequencerを紹介しましたが、この他にもリズム系のものがScript Processorに追加されています。その一つであるEuclidean Drum Sequencerを紹介します。
Euclidean Drum Sequencerとは
Euclidean Drum Sequencerはその名前が示す通り、Euclidean Rhythm(ユークリッドリズム)の仕組みに則ってリズムを打ち込めるシーケンサーです。ある規則に従って音をトリガーするタイミングが自動的に決まる(アルゴリズム的な)シーケンサーで、ポリリズム的なものを狙ったり複雑な反復リズムを作ったり出来ます。
ネットで検索すると、どうやってリズムのタイミングを作るのかという部分は説明があるので仕組み自体は分かるのですが、そのアルゴリズムを常に考えてシーケンサーを使うかというとそうは思いませんでした。雑な説明ですが、大体以下のことが理解出来ていれば十分な気がします。
※下記画像は線などが見やすいように色を変更しています
- 1トラック(パート)全体のステップ数とそこで鳴らす回数を決める。するとトリガー位置が概ね均等な間隔で自動配置される
- シーケンス全体を前後にずらすことが出来る
- (Euclidean Drum Sequencerでは)アクセントも似たように均等配置が出来、これも前後にずらせる
- あとは複数トラック(パート)を組み合わせることで複雑なリズムを作れる
使い方
基本的なセットアップは次の通りでシンプル。Drum Sequencerの場合と似たようなものなので詳細は割愛します。
- Programの[EVENT]に[Script Processor>Sequencing>Euclidean Drum Sequencer]を追加
- 各パートのNote番号に対応する場所にKeygroupを作って音が鳴るようにする。全て配置すると以下のようになる(各パートは左から順に並んでいます)。
あとは前述の概念的な内容がしっくりくるようであれば、ほぼ使いこなせたも同然です。あとはどのパラメータが何に対応するのか分かれば、すぐに使いこなせるでしょう。
- 電源ボタンぽいやつ
そのトラック(パート)をON - STEPS
このパート全体のステップ数 - HITS
何回トリガーしたいか - OFFSET
シーケンス全体を前後に何ステップずらすか - ACCENT
HITS内に何回アクセント(通常時とは別のVelocity設定が可能)を配置するか - (ACCENTの横の)OFFSET
ACCENT全体を前後に何ステップずらすか - RATIO
鳴らす長さ(音符として見ると分かりやすい) - Note番号
トリガーするNote番号
シーケンスを再生する場合は右上の三角ボタンをONにするか、NoteのC3を演奏します。Drum Sequencerの場合と異なり、C3以外には変えられなそうです。
VELOCITYページでは通常トリガーとアクセントで演奏する時のVelocity値を設定できます。
GUI下部にもいくつかツールが配置されていますが、このあたりはポチポチといじってみれば大体直感で分かりそうなものばかりです。
- RESOLUTION
ステップの解像度。要するに最小単位の設定みたいなもので、全体の演奏速度を変更可能 - ACTION
下記PATTERNのコピペやクリアが行える - PATTERN
リズムパターン全体を最大8個まで保存して切り替えることが可能 - PRESET
プリセットを使ってみたい場合はここで選ぶ - MIDI: GENERATE, DRAG-N-DROP
MIDIファイルを生成出来、DRAG-N-DROPをドラッグしてDAWなどに貼り付け可能
Euclidean Drum Sequencerを紹介してみましたが、これもなかなか遊べそうなやつですよね。筆者もまだ全然いい感じに使いこなせてはいないのですが・・・まぁ使うのが楽しいのでよしとしておきましょう。
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