今回は前回の記事で紹介し切れなかった、-renderprojectオプションを取り上げます。
コマンドラインでプロジェクトのレンダリング
REAPERのコマンドライン実行で、プロジェクトのレンダリングを行うことが出来ます。やり方は簡単で、以下の手順でやればOK。
- REAPERで作成したプロジェクトでレンダリング設定を保存([File>Render...]でレンダリングウィンドウを表示して各種レンダリングの設定を行い、レンダリングするか[Save changes and close])
- REAPERプロジェクト自体も保存([File>Save project])
- コマンドラインでこのプロジェクト(例えば C:\A.rppとする)を指定してレンダリング
> reaper.exe -renderproject C:\A.rpp
※この方法でレンダリングする場合、上書き確認ダイアログ等は表示されません。
プロジェクト保存時の注意
コマンドラインでレンダリングを行う際、重要になるのが「プロジェクト保存時のプロジェクトの状態」です。レンダリングの対象が[Stems (selected tracks)]や[Selected media items]などのように、何かを選択しておく必要のある設定の場合は、必ずレンダリング対象にしたいものを選択した状態でプロジェクトを保存しておく必要があります。
↑ 選択Itemをレンダリングしたい場合、対象のItemを選択状態にしてProject保存
コマンドラインでレンダリングしてみたけど、何も出力されないとかいう場合はこのあたりもチェックしてみると良いかもしれませんね。
使いどころ
コマンドラインでプロジェクトのレンダリングが出来たからといって、何かの役に立つの? と思うかもしれませんが、これも用途次第で応用出来そうなネタは結構ありそうです。ぱっと思いつくものを挙げてみましょう。
- バッチファイルで複数のプロジェクトの一括レンダリング
- プロジェクト内の一部の波形ファイルを差し替え、そのプロジェクトを自作アプリやバッチファイルなどで自動的にレンダリング
- Jenkinsなどの自動ビルドシステムに組み込んだりしてワークフローを作れば、サーバ上にある所定のwavを更新するだけで、あとは放っておけばマスターデータが出来上がるといったことも出来そう(ついにJenkinsでDAWをぐるぐる回す時代が来たか・・・?)
主にバッチレンダリングなどの自動化、オンデマンドレンダリングといった用途でしょうか。ゲーム開発みたいに大量のデータを扱う職種なんかであれば、かなりの恩恵を受けられそうな気がしなくもないですね(しばらく前のネタなので忘れましたが、確かFMODあたりのREAPER Integrationがこの仕組みを使ってたような? 検証とかはしてないので違ってたらすみません)。
懸念点
まだきちんと検証しきれてないので確実な情報ではないのですが、もしかしたらたまにレンダリングがうまく行われないケースがあるのかもしれません。
実はちょっと前に検証した時レンダリングされなくて悩んだことがありました。単純に自分がレンダリング設定などを間違えていただけだった、というのならよいのですけど・・・。今回の記事のために実行したら普通に上手くいってしまったので、またうまくいかない事があったら再度検証してみようと思います。
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