REAPERはコマンドライン実行が可能なことをご存じでしょうか?
これは要するにWindowsのコマンドプロンプトでオプションを渡してREAPERを実行することです。まぁほとんどのユーザーがこれを使う必要はないんですが、使いようによっては便利な機能です。

Help

コマンドラインで実行ってことは、定番のHelp(usage)表示があるよね?
ということで以下のコマンドで表示できます。

> reaper.exe -help

Windowsだけかもしれませんが、オプション指定はハイフン"-"だけでなく、スラッシュもいけるようです。あと、このHelp表示もコマンドプロンプトでおなじみの /? でも表示可能です。
CmdLineHelp


REAPER起動時の設定オプション

REAPERを起動する時の挙動に影響を与えるオプションは以下の通り。

  • -audiocfg
    REAPERを起動した直後にオーディオ設定ウィンドウを表示(既に起動済みなら何も起きない)
  • -cfgfile file.ini
    REAPERのリソースフォルダをデフォルトとは違うところに設定してREAPERを起動する。file.iniには要するに(REAPERリソースフォルダ)/REAPER.ini に相当するものを絶対パスで指定してやる。
    REAPERリソースフォルダではない場所(例えば任意の空のフォルダ内のINIファイルパスなど)を指定すると、そこにREAPERリソースフォルダを自動的に作成してくれる。
    自分はREAPERのポータブル版を使ったことがないので正確には分からないが、この機能を使えばREAPER本体だけでなく、リソースフォルダもUSBドライブなどに入れて持ち歩けそうな気がする。
  • -ignoreerrors
    起動時に出るエラーを無視して起動。普段エラーが出ない状態なので良くわからないが、何らかのエラーが出てREAPERの起動に失敗する場合に効果があるのかもしれない。
  • -nosplash
    スプラッシュウィンドウを表示しない
  • -splashlog filename.log
    スプラッシュウィンドウでの起動時のログをファイルに出力する。これも不具合等の調査に使えそう。
  • -newinst もしくは -nonewinst
    REAPER起動時の多重起動チェックを無視して起動する場合は -newinst を指定出来る(多重起動したくない場合は -nonewinst)。REAPERのPreferencesの設定にもある(General>Startup setting>Check for multiple instances when launching)が、この設定をオーバーライドして起動出来るようだ。
    ※このあたりの設定をいじることで複数のREAPERウィンドウを表示できますが、自分はおそらく使わないと思います。というのも、REAPERは実行中にREAPER.iniなどの設定ファイルを変更したりする仕組みで動いてたりするので、複数のインスタンスでガチャガチャいじってる間に最悪の場合設定齟齬が絡むバグに遭遇してしまう、というのを避けるため(まぁ未検証なのでなんとも。自分がビビってるだけで本当は安全だったりするのかも)。

起動中のREAPERにも作用するオプション

既に起動しているREAPERに影響を与えられるオプションは以下のとおり。

  • -new
    新しいプロジェクトを開く(起動しているREAPERに新しいプロジェクトTabが作られる)
  • -close[all][:save][:nosave]
    たぶん自分の指定方法が間違っている気がするんですが、保存するか聞くのを指定してウィンドウが閉じるのかと思いきや、何も起こりませんでした・・・。
  • -noactivate(Windowsのみ)
    コマンドラインでREAPERに指示を出した場合に、ウィンドウをフロントフォーカスに持ってこないようにする。REAPER起動時に指定してもウィンドウがアクティブになってしまうので意味がない。イマイチ使いどころが良くわからないオプション。

その他・特定用途向けオプション

上記以外の特定の用途向けのものは以下の通り。

  • -saveas newfilename.rpp
    REAPERプロジェクトファイルを開いて、別のファイル名で保存する機能。REAPERが起動中だと何も起こらないので注意。そしてREAPERが起動し、新しく保存した名前のファイルを開いたままの状態になる。こんな挙動なものだからバッチ処理にも使えないし、なにやら中途半端な感じの機能。コマンドラインでの指定方法は以下の通り(A.rppをB.rppに保存)。
    > reaper.exe -saveas B.rpp A.rpp
  • -renderproject filename.rpp
    プロジェクトファイルに対してレンダリング機能を呼び出す。別の記事にする予定。
  • -batchconvert filelist.txt
    REAPERのBatch Converterを呼び出す。これも別の記事にする予定。


という感じで、今回はざっくりとREAPERのコマンドラインオプションを紹介しました。恐らく利用者が極めて少ないからなのか、どの程度役に立つのか未知数な機能がちらほらあったりしますね。今回取り上げていない機能については、次回以降にでも書いていこうと思います。