今回もまだまだ動画編集ネタは続きます。飽きるかネタが続く間は。

画像ファイルを動画に利用

動画を作成する場合にも、素材は動画ファイルだけでなく一枚絵の画像ファイルも使いたいケースがあるのではないでしょうか。例えば、一枚絵を左右にパンするだけのカットを作ったり、動画素材の手前にキャラの立ち絵やロゴなどを表示したり。

そんな時は画像ファイルをREAPERのArrangeView(タイムラインのところ)にドロップしてやると画像のItemになってくれます。
ImgItem02
 ↑ 画像のItemにはサムネイルが表示される

また、このItemのSource propertiesを見ると、ウィンドウ名に[Video file item properties]と表示されていることから、動画と同じように操作できるようです(このウィンドウにある[Transform]などの、動画Itemにもあったオプションも使える)。
ImgItemSrc01

ということはつまり、今まで扱ってきたVideoProcessorのプリセットなどがそのまま画像にも適用できることになります。いやー便利便利。

クロマキー合成

まだ紹介していなかったVideoProcessorのプリセットに[Simple source chroma-key]というのがあるのですが、こいつでクロマキー合成が可能になっています。
このプリセットのデフォルトパラメータでは、クロマキー合成ではお馴染みの緑背景用設定になっているので、画像や動画の背景を緑(RGBでいうと[0, 255, 0])かそれに近い色にしておいてやれば、そこが透明になって下のトラックの動画素材と合成できます。
ChromaKeyTest01_g
こんな感じの画像を用意してやればOK。
でも、今回の画像のように透過したくない部分に透過用の緑色に近い部分があると、下図のように抜けなくてもいいところが透過されてしまいます。
ChromaKey01
大抵の場合はプリセットのパラメータをいじることで調整できますが、今回はあえて背景を別の色に変えて、それ用のプリセット設定を作ることにします。背景を紫(RGBで[255,0,255])にした画像はこちら。
ChromaKeyTest01_p
で、これにプリセットのクロマキー指定をどうやればいいのか・・・
先に答えを書いてしまうと、k1=0.5, k2=0.5, k3=0.5, k4=2.0 に設定して以下のようになりました。
ChromaKey02
k1~k4のパラメータが何なのかこれだと意味不明ですが、これはデフォルトの色空間YV12だと以下のようになっていそうな感じがします、たぶん(範囲などは推測なので、間違ってるかも)。
  • k1 : 色指定のU値
  • k2 : 色指定のV値
  • k3 : 色の誤差許容係数(clossness-factor)
    0に近くなると他の色もどんどん透過、1に近いと指定色により近いものだけが透過されるっぽい。ゲインの影響も受ける?
  • k4 : ゲイン
色空間に詳しくないのでテキトーでごめんなさいな感じですが、てきとーにググってYUVの色見本を見て、デフォルトの緑のUV設定と見比べると、なんとなくパラメータをどうすべきか分かるかもしれません。紫(U=0.5, V=0.5)や青(U=0.5、V=-0.5)などの設定はそうやって作れたので、まぁいいか・・・と。実際のところほとんどの場合はデフォルトの緑でOKですし、そんなに沢山の色をこれで作るということもないですしね。

そして画像ItemのFXにVideoProcessorで[Image overlay]にして動画の上に配置してやった例がこちら。ちなみにクロマキー設定は画像のあるトラックにFXを挿してます。
ChromaKey03
ChromaKey04
うまく重なりました。

キャラをこうやって合成して動かしたいという場合は、背景が緑でキャラが動いている動画を先に作っておけば、同じように合成できます。レイヤーのように重ねてやることで表現力がぐっと上がりますね。