2019/10

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PeloReaper Extension for REAPER is here.
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REAPER (Command Line)

REAPERはコマンドライン実行が可能なことをご存じでしょうか?
これは要するにWindowsのコマンドプロンプトでオプションを渡してREAPERを実行することです。まぁほとんどのユーザーがこれを使う必要はないんですが、使いようによっては便利な機能です。

Help

コマンドラインで実行ってことは、定番のHelp(usage)表示があるよね?
ということで以下のコマンドで表示できます。

> reaper.exe -help

Windowsだけかもしれませんが、オプション指定はハイフン"-"だけでなく、スラッシュもいけるようです。あと、このHelp表示もコマンドプロンプトでおなじみの /? でも表示可能です。
CmdLineHelp


REAPER起動時の設定オプション

REAPERを起動する時の挙動に影響を与えるオプションは以下の通り。

  • -audiocfg
    REAPERを起動した直後にオーディオ設定ウィンドウを表示(既に起動済みなら何も起きない)
  • -cfgfile file.ini
    REAPERのリソースフォルダをデフォルトとは違うところに設定してREAPERを起動する。file.iniには要するに(REAPERリソースフォルダ)/REAPER.ini に相当するものを絶対パスで指定してやる。
    REAPERリソースフォルダではない場所(例えば任意の空のフォルダ内のINIファイルパスなど)を指定すると、そこにREAPERリソースフォルダを自動的に作成してくれる。
    自分はREAPERのポータブル版を使ったことがないので正確には分からないが、この機能を使えばREAPER本体だけでなく、リソースフォルダもUSBドライブなどに入れて持ち歩けそうな気がする。
  • -ignoreerrors
    起動時に出るエラーを無視して起動。普段エラーが出ない状態なので良くわからないが、何らかのエラーが出てREAPERの起動に失敗する場合に効果があるのかもしれない。
  • -nosplash
    スプラッシュウィンドウを表示しない
  • -splashlog filename.log
    スプラッシュウィンドウでの起動時のログをファイルに出力する。これも不具合等の調査に使えそう。
  • -newinst もしくは -nonewinst
    REAPER起動時の多重起動チェックを無視して起動する場合は -newinst を指定出来る(多重起動したくない場合は -nonewinst)。REAPERのPreferencesの設定にもある(General>Startup setting>Check for multiple instances when launching)が、この設定をオーバーライドして起動出来るようだ。
    ※このあたりの設定をいじることで複数のREAPERウィンドウを表示できますが、自分はおそらく使わないと思います。というのも、REAPERは実行中にREAPER.iniなどの設定ファイルを変更したりする仕組みで動いてたりするので、複数のインスタンスでガチャガチャいじってる間に最悪の場合設定齟齬が絡むバグに遭遇してしまう、というのを避けるため(まぁ未検証なのでなんとも。自分がビビってるだけで本当は安全だったりするのかも)。

起動中のREAPERにも作用するオプション

既に起動しているREAPERに影響を与えられるオプションは以下のとおり。

  • -new
    新しいプロジェクトを開く(起動しているREAPERに新しいプロジェクトTabが作られる)
  • -close[all][:save][:nosave]
    たぶん自分の指定方法が間違っている気がするんですが、保存するか聞くのを指定してウィンドウが閉じるのかと思いきや、何も起こりませんでした・・・。
  • -noactivate(Windowsのみ)
    コマンドラインでREAPERに指示を出した場合に、ウィンドウをフロントフォーカスに持ってこないようにする。REAPER起動時に指定してもウィンドウがアクティブになってしまうので意味がない。イマイチ使いどころが良くわからないオプション。

その他・特定用途向けオプション

上記以外の特定の用途向けのものは以下の通り。

  • -saveas newfilename.rpp
    REAPERプロジェクトファイルを開いて、別のファイル名で保存する機能。REAPERが起動中だと何も起こらないので注意。そしてREAPERが起動し、新しく保存した名前のファイルを開いたままの状態になる。こんな挙動なものだからバッチ処理にも使えないし、なにやら中途半端な感じの機能。コマンドラインでの指定方法は以下の通り(A.rppをB.rppに保存)。
    > reaper.exe -saveas B.rpp A.rpp
  • -renderproject filename.rpp
    プロジェクトファイルに対してレンダリング機能を呼び出す。別の記事にする予定。
  • -batchconvert filelist.txt
    REAPERのBatch Converterを呼び出す。これも別の記事にする予定。


という感じで、今回はざっくりとREAPERのコマンドラインオプションを紹介しました。恐らく利用者が極めて少ないからなのか、どの程度役に立つのか未知数な機能がちらほらあったりしますね。今回取り上げていない機能については、次回以降にでも書いていこうと思います。


REAPERのMediaExplorer:検索・データベース

メディアファイル検索

Media Explorerでは、現在のフォルダやデータベースのファイル一覧に対して文字列(検索フィルタ)による絞り込み検索を行うことが出来ます。

検索フィルタはMedia Explorerウィンドウ右上にあるテキストボックスに文字列を指定するだけのシンプルなものです(下図⑥のところ)。
MEWindow01

スペース区切りでより条件を絞り込んでいくことも出来ます。日本語の文字列を指定しても問題ないようです。

ちなみに例えばF3キーとかでフィルタにフォーカスが飛んでくれるとありがたいので、一発で検索フィルタにカーソルを移動するようなActionを探したのですが、今のところないようです(見落としているだけ?)。仕方ないので、ファイル一覧からはShift+Tabを3回連打するなどTab移動の回数を覚えて使ってます。


検索オプション

検索オプションはMedia Explorerを右クリックしてメニューから[Search]のサブメニューで指定できます。

  • Search fields:
    後述のデータベースを作った場合に検索対象のフィールド(列項目)のON/OFFを指定できます。データベースを作っていない場合は、ここの指定は関係なくファイル名のみが検索対象となります。
  • Folder searches:
    • [Search metadata (slower)]
      メディアファイル内のメタデータも検索対象にするか。
    • [Search in subfolders]
      サブフォルダにあるメディアも検索対象にするか。
    • [Include matching folders]
      フィルタにマッチする名前のフォルダも検索結果に含めるか。
  • [Update search only when enter key pressed]
    Enterキーを押した時のみ検索結果を更新するか。Filterテキストボックスに文字を1文字入力するたびに検索が実行されるのが煩わしい場合はONにするとよいかと。

これらのオプション切り替えはActionも用意されているので、ショートカットに出来ます。サブフォルダを検索に含めるかどうかなど、時々切り替えると便利そうなものはショートカットにしておくとよさそうですね。


Media Explorerのデータベース

Media Explorerでは「データベース」というものを作れるようになっています。以前の記事でフォルダのショートカット登録については触れましたが、このデータベースというのはそれをもうすこし発展させたもので、検索に特化したファイル一覧が作れる機能のことです。

フォルダのショートカット登録と比べると、以下のような違いがあります。

  • あるパス以下にあるファイルを一覧にしてしまうので、フォルダ階層のような階層構造はない
  • wavファイル内のメタデータも列に表示が可能(メタデータがあるものに限る)
  • カスタムタグをファイルごとに記入することが可能
  • 検索フィルタに入力した文字列がメタデータやカスタムタグにマッチするようになる(前述の検索オプション設定(Search fields)次第)

データベースの作成・削除

データベースの作成方法は非常に簡単。以下の3つのいずれかの方法で作成できます。最初のフォルダ右クリックからのやつが一番シンプルですかね。

  • ファイル一覧からフォルダを選んでデータベース化したい場合
    ファイル一覧のフォルダを右クリック → [Make database from folder]
  • 現在表示しているフォルダ以下をデータベース化したい場合
    左側のShortcut一覧の空いている場所を右クリック → [Make database from current folder]
  • 空のデータベースを作って、パスを登録していきたい場合
    1. 左側のShortcut一覧右クリック → [Create new database...]
      データベース名を入力してOKボタン、これで空のデータベースが作成される。
    2. 作成したデータベース名を右クリック → [Add path to database...]
      任意のパスを指定して、このデータベースに追加。このパス以下にあるメディアがデータベースに登録される。1つのデータベースに複数のパスを登録可能。

データベースは不要になったら、データベース名を右クリックから [Delete database] で削除出来ます。

そしてデータベースを何個でも自由に作成出来ます。自分のニーズや用途に応じてデータベースを作って整理しておけば、便利かつ時短にもなりそうです。


データベースが参照するパスの登録・削除

上記いずれの方法で作成したデータベースでもパスを複数登録することが可能で、後からパスを追加・削除するといった事も可能です。

あちこちに分散しているフォルダをまとめてデータベースを作れるので、例えば複数のサンプルパック内にある特定の素材(Kickとか)のフォルダを1つのデータベースにまとめてしまうといった事も可能だったりします。便利ですね。

パスの追加・削除は、作成したデータベースを右クリックから以下のものを選びます。

  • [Add path to database...]
    データベースにパスを追加します
  • [Remove path from database]
    データベースから特定のパスを選んで削除します


データベースの更新

データベースが参照しているパスにあるファイルが増えたりしても、Media Explorerのデータベースが自動でそれを検知して反映してくれたりはしません。データベースに登録したパス以下にあるファイル構成に変更があった場合は、データベース右クリックから以下の項目を選んで最新の情報に更新しましょう。

  • [Scan database for new files]
    新しいファイルがあった場合にそれらをデータベースの一覧に追加する。ただし、ファイルがなくなっていても一覧から削除されないことに注意(削除したい場合は以下の[Remove missing files from database]を使う)。
  • [Scan database for new files and re-read all metadata]
    上記と同様だが、ファイル内のメタデータを再度スキャンして最新の情報に更新する。
  • [Remove missing files from database]
    もはや存在しないファイルについて、データベースのファイル一覧から削除する


今回はファイル検索・データベースの使い方について解説しました。まだ細かい部分で触れられていない部分はありますが、ここまでの記事の内容で概ねMedia Explorerを使いこなすのに十分なところまで来たのではないかと思います。

REAPERのMediaExplorer:WindowsのExplorerモード

REAPERのMedia Explorerのファイル一覧表示部には、もう一つの表示方法があります。
ここでは分かりやすさを優先して勝手にWindowsのExplorerモード(造語)と言ってしまっていますが、要するにWindowsのExplorerと同じように扱える画面に切り替えられるのです。


通常表示とWindows Explorer表示の切り替え方

切り替える方法は、Media Explorer上を右クリックして [Use Windows Explorer for browsing] を選択するだけ。アクションにも [Toggle embedding Windows Explorer] があり、同様の切り替え機能になっています。
MEX_Mode02

これでExplorerと同じような表示に切り替わり、そのままExplorerと同様に使うことが出来ます。いくつか便利な点を挙げてみると、以下のような感じでしょうか。

  • マウスで右クリック(もしくはShift+F10)してExplorerでのコンテキストメニューが使える
    MEX_RClick01
  • スペースキーやトランスポートの[Auto play]をONなどでプレビューも可能
  • 他のExplorerウィンドウからのファイルドラッグ&ドロップによるコピー・移動も可
    以外にもMedia Explorerの通常表示状態だと出来ない機能なので重宝
    ※ファイルプレビュー時などにはREAPERがファイルをロックしていて移動不可なので、[Auto play]をONにしている場合は注意
  • Zipファイル内もブラウズ可能!(内部のwavプレビュー等は不可)

WindowsのExplorerのメニューが使えるということは、例えばシェル拡張メニューなども使えるので、ファイル圧縮系やTortoiseGitのようなツールもここで使えてしまうわけです。

まさかとは思いましたが、ブラウズするだけならZipファイル内も見られるというのも少し意外でした。ちょっと応用例がすぐ思いつきませんが、どこかで役立つかもしれませんね。

あと、このWindows Explorer表示はフォルダをブラウジングしている場合のみ利用できる機能です。Media Explorerのデータベースファイル一覧表示(次回あたりにでも紹介予定)の時には利用できません。



WindowsのExplorerモードを紹介してみましたが、これも結構便利に使えそうですね。ちょっとしたことがやりたいだけなのに、わざわざWindows Explorerを起動してMedia Explorerで開いている場所を開いて・・・といったことをやる必要がなくなるというのは非常に助かります。

ちなみに自分の場合は [Toggle embedding Windows Explorer] アクションを[Ctrl+E]に割り当てて、必要に応じて切り替えられるようにしています。


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