REAPERはスクリプトで機能を拡張出来るのですが、自分で個別にスクリプトを探してダウンロードし、沢山あるスクリプトの適切なファイルをActionに登録まで行うというのは結構な知識を要する工程だったりします。

安心なことに、これを簡単にインストール出来るようにするパッケージマネージャーのReaPackがChristian Fillion氏によって無料で配布されています。今回はこのReaPackについて基本的な使い方を説明します。


ReaPackのインストール方法

ReaPackのダウンロード

↓ ReaPackはこちらで配布されています ( https://reapack.com/ )
ReaPack_DL01

配布先のページ右側に Downloads という項目があって、Windows版やmacOS版などのダウンロードリンクがあります。自分の環境(32/64bit)に合ったものを選びましょう(合っていないと正常に動作しないので注意)。とはいえよほどの理由がない限り64bit版のREAPERを使っていると思いますので、[64-bit] となっているリンクをクリックして、reaper_reapack-x64.dll を任意の場所にダウンロードします。

自分のREAPERが32bit / 64bit のいずれなのか知りたければ、REAPERのメニューから [Help>About REAPER]で出てくるウィンドウ上部に win64 (64bitの場合) などと書かれているかチェックして下さい。

AboutREAPER01

ダウンロードしたファイルの配置

ダウンロードしたファイルの配置場所についてですが、まずREAPERのリソースフォルダを開きましょう。REAPERのメインメニューから [Options>Show REAPER resource path in explorer/finder] を選択すると、WindowsのExplorerでリソースフォルダが開きます。

開いた場所に UserPlugins というフォルダがあるので、そこの中に先ほどダウンロードした reaper_reapack-x64.dll をコピーします。

ReaPack_CopyToUsePlugins

インストール作業はこれで完了です。


REAPERを再起動してインストールされているか確認

ReaPackはREAPERのExtensionという種類の拡張機能で、DLLファイルになっているため、REAPERを再起動することで初めて機能が有効になります

なのでREAPERを起動している場合は一旦終了させ、もう一度起動して下さい。

REAPERを再起動したらメインメニューに [Extensions] という項目が出来ていて、その中に [ReaPack] というメニュー項目があれば、ReaPackがインストール出来ています。

ReaPack_Menu01

ReaPackの使い方

登録済みパッケージリポジトリ一覧の表示

REAPERメインメニューの [Extensions>ReaPack>Manage repositories...] で現在ReaPackに登録してあるリポジトリ一覧を表示出来ます。デフォルトでいくつかのリポジトリは登録済みになっています。

ReaPack_ManageRepo02

一覧に表示されている情報は以下の通りです。

  • Name
    リポジトリの名前です。
  • Index URL
    リポジトリのURLです。ReaPackに登録する際に指定したURLが表示されています。

リポジトリの情報はどこにある?

デフォルトで登録されているリポジトリ以外にも、有志の方々が公開しているリポジトリがあります(筆者が公開しているPeloReaper Extensionもその一つです)。これらについてはスクリプト配布先やReaPack本家サイトなどに情報があります。

まとまった情報としてReaPack本家にリポジトリ一覧がありますので、そこから興味のあるリポジトリを探すのが良いでしょう。

ReaPackの公式ページ上部のリンクからも行けます。

LinkToRPRepoList

リポジトリ一覧のページ
ReaPack_RepoList


使いたいリポジトリの登録

デフォルトで登録されているリポジトリ以外のリポジトリを登録したい場合は、以下の手順で行います。

  1. REAPERメニューから [Extensions>ReaPack>Import repositories...](もしくはManage repositoriesウィンドウ下部のボタン [Import/export...>Import repositories...])
  2. 表示されたウィンドウのテキストボックスにリポジトリのIndex URL(Repository listページの各リポジトリ右側に表示されていたURL)を記入して、[OK]ボタン(URLを1行ずつ複数指定すれば、複数を一度に登録できます)
    ReaPack_ImportRepo01
  3. これでManage repositoriesウィンドウのリポジトリ一覧に追加された状態になります。
    ReaPack_ImportRepo03_2
    最後に [OK] ボタンを押して、リポジトリ登録を完了します。

ダウンロードできるパッケージ(スクリプト)一覧を表示

REAPERのメニューから [Extensions>ReaPack>Browse packages...] でパッケージ一覧(スクリプトやExtensionなどの一覧)が表示されます。

ReaPack_Packages01

インストール済みのパッケージについては、パッケージ名の左側に [ i ] と表示されます。また、インストール済みで最新のアップデートがあるものについては [ u ] と表示されます。最新では削除された項目については [ o ] が表示されます。

ウィンドウ上部にある Filterにキーワードを入れたり、[XXX / YYY packages..]ボタンなどでタイプを選択して一覧に表示される項目を絞り込むことも可能になっています。

ReaPack_PackageFilter01

また、パッケージ名をダブルクリックすると、そのパッケージの更新履歴や詳細情報を見ることが出来ます。

ReaPack_AboutPackage01

使用したいパッケージ(スクリプト)のインストール

インストールしたいパッケージをクリックして選択し、右クリックメニューから [Install vXXX] を選ぶことで、これからインストールするものとしてマークされます([ I ] というマークがパッケージ名の左側に表示されます。この時点ではまだインストールされていません)。

ReaPack_InstallPackage01
↓ Install を選ぶとマークされる
ReaPack_InstallPackage02

インストールしたいものにマークを付けたら、ウィンドウ右下にある [OK] ボタンをクリックすることで、インストールが開始されます。インストールが終了すると、インストールしたパッケージのバージョンや新機能コメントなどが表示されます。

ReaPack_InstallPackage03_2

ここでスクリプトではなくExtensionをインストールした場合は、REAPERを再起動するまで反映されない事を示すメッセージが表示されるので、REAPERを一旦終了して起動し直しましょう。

ReaPack_InstallPackage04

パッケージインストールで追加されたActionを使う

パッケージをインストールしたことでどんなActionが追加されているかについてですが、スクリプトの場合は、Package名ダブルクリックで表示されるウィンドウの [Contents] タブなどでスクリプト名を確認することが出来ます。

ただし、大抵の場合スクリプト名(もしくはAction名)に作者の名前(Author列に表示されているもの)やリポジトリ名などといった分かりやすいプレフィックスなどが付けられているため、Actionを探すのにさほど困ることはないでしょう。

ReaPack_InstallPackage05
↑ ActionListを検索すれば大抵すぐ見つかります

これでインストールしたものがうまく実行できれば、インストール成功ですね。あとはどんどん好きな機能を入れていって、REAPERをより便利にしていきましょう。


インストールしたパッケージの最新版を取得する

パッケージ一覧でインストール済みパッケージの左側に [ u ] と表示されたものについては、より新しいものが公開されています。そのパッケージを右クリックして、[ Update to vXXX ] を選ぶことで、最新版に更新するためのマークを付けます([ u ] → [ uI ] に変化します)。

ReaPack_UpdatePackage01
↓ 更新をインストールするためマークする
ReaPack_UpdatePackage02

あとはウィンドウ右下の [OK] ボタンで最新版がインストールされます。

また、REAPERのメニューから [Extensions>ReaPack>Synchronize packages] を実行することで、一括で全てを最新版にすることも出来ます。

ただし全てを一気に更新した時、最新版で削除されているパッケージがある場合、ウィンドウが表示されてそれらをアンインストールするか何もしない([Ignore]ボタン)かを聞いてきます。そのままスクリプトを残しておいても、実際にきちんと動作するかはわかりません(スクリプトによる)。

古いスクリプトがなくなっても、大抵は古いスクリプトが新しい名前のものに置き換わったりしているので、従来使っていたものと似たものを探せば見つかることもあります(もちろん完全に廃止されてしまっている場合もある)。どうせ新機能に移行せざるを得ないので、頑張って探しましょう。

ちなみに古いパッケージがなくなるケースは意外とよくあります。特に活発に開発されているリポジトリではスクリプトの構成が大きく変わったり統廃合が進んだりします。どんどん進化していくのはありがたいのですが、使う側からするとショートカットに設定したものが正常に動作しなくなってしまったりと、時折問題を引き起こしてしまうことがあるので注意しましょう。


パッケージをアンインストールしたい場合

パッケージ一覧でインストールされた項目を右クリックし、[Uninstall] を選んでアンインストール項目としてマークします([ R ] というマークが付きます)。

ReaPack_UninstallPackage01

あとはウィンドウ右下の [OK] ボタンをクリックすると、実際にアンインストールされます。


ReaPackのアンインストール

ReaPack自体のアンインストールは簡単で、REAPERを終了した後、最初にインストールした reaper_reapack-x64.dll を消してしまえば完了です。

ただし、これだけではReaPackでインストールしたパッケージ(スクリプトやExtensionなど)が残ってしまいます。それらも不要であれば、ReaPackで先に全てのパッケージをアンインストールしてから、reaper_reapack-x64.dll を削除するようにしましょう。