2020/08

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REAPERのステップシーケンサー (1) Megababyとドラムマップ

REAPER付属のステップシーケンサーとその改造版(MOD)などの情報をまとめておきます。ステップシーケンサーのMOD!? と思うかもしれませんが、REAPERのステップシーケンサーはJSスクリプトで出来ているので、頑張れば自分で改造できてしまうのです。


REAPER付属のステップシーケンサー

REAPERには標準でステップシーケンサーがいくつか付属していますので、まずはこれらを軽く紹介します。このステップシーケンサーはMIDI FX扱いなので、FX追加ウィンドウのAll PluginsかJSカテゴリの中を探すとあります。


MIDI Sequencer Baby

もともとREAPERに付属していたもので、無印のバージョン1とバージョン2(v2)があります。

SeqBabyV1
JS: MIDI Sequencer Baby

SeqBabyV2
JS: MIDI Sequencer Baby v2

見た目はスッキリですが、機能としてはちょっと物足りないかなという感じです。実際、後述のMODが良くできているので、恐らくこれら古いバージョンを使う機会はないでしょう。ただ、もし自分でMODが作りたいというのであれば、これらはプログラム自体もシンプルなので参考にしやすいのではないかと思います。


MIDI Sequencer Megababy

これも現在ではREAPERに付属していますが、もともとはjnif氏が作成したMOD版(sequencer_baby_v2_jnif)のようです。

SeqMegababy

左側にピアノロール・ドラムマップ表示が追加されたり、Note毎のパラメータ設定が出来たりと、かなりパワーアップしています。

これについては過去に後正面氏のブログにて紹介されているので細かくは説明しませんが、ここまでくると結構機能も増えて実用に耐えそうな感じですね。


Megababyのドラムマップについて補足

NI Battery 3/4用のドラムマップファイルインストール方法

Battery4
↑ NI Battery 4

Megababyのスクリプトを開くと分かりますが、jnifさんが配布していたものに付いていたNI Battery 3/4 用のドラムマップファイルは、REAPERには付属していません。REAPER公式のResourcesサイトで配布されている sequencer_baby_v2_jnif.zip に含まれているので、以下のリンクのページからダウンロードしましょう。

DownloadBabyv2jnif

ダウンロードしたzipを解凍するとseqbaby_data というフォルダがあるので、これをREAPERリソースフォルダ(REAPERのメニューから [Options>show REAPER resource path in explorer/finder...] で開く)にある Data フォルダ内にコピーすればインストール完了です(既に_Default Kit.txtだけがあるseqbaby_dataフォルダがあるかと思いますが、上書きでOK)。
CopyBatteryDrumMap
↑ こんな感じの配置になるようにコピー

Battery 3/4標準付属のドラムキット全部に対応しているのか確認してはいませんが、Batteryをよく使う人は試してみると良さそうです。


ドラムマップファイル作成方法

各ドラムマップのテキストを開くと分かるように、各行にMIDI Note番号と表示名をTab文字で区切って列挙しただけのシンプルなファイルなので自分で作ることも可能です。Batteryに限らず他のドラム系プラグインと一緒に使う場合でも、頻繁に使うキットのドラムマップを作っておけば便利そうです。

もちろんテキストエディタで一行ずつ入力していくのもよいのですが、ここではExcelを使う方法を紹介しておきます。Excelなら連番入力なども入力しやすいですし、REAPER関連の設定ファイルはテキストで出来ていることが多いので、他でもこのやり方が役立つ場合があります。

また、ExcelはバージョンによってGUIや手順が若干違うかもしれませんので、そのあたりは適宜読み替えて下さい。

まずは既存のドラムマップファイルをExcelで読み込む方法。

  1. Excelでファイルを開く時に、ファイルの種類を [テキスト ファイル(*.pm;*.txt;*.csv)] に設定して、ドラムマップのテキストファイルを開きます。
    ExcelLoadText01
  2. ウィザードの[元のデータ形式]で [カンマやタブなどの区切り文字によってフィールドごとに区切られたデータ] を選択して [次へ]。
    ExcelLoadText02
  3. ウィザードの[区切り文字]で [タブ] を指定して[次へ]
    ExcelLoadText03
  4. 列のデータ形式は標準のままで問題ないかと。これで[完了]
    ExcelLoadText04
  5. 読み込めた状態
    ExcelLoadText05

そしてExcelからの書き出し。こちらは簡単で、ファイルに名前を付けて保存から [ファイルの種類] に [テキスト (タブ区切り) (*.txt)] を選択して保存するだけです。
ExcelSaveText01

先頭に1つ追加してみた例
ExcelSaveText02

簡単ですね。


REAPERでREAKTORのシーケンサーを楽々MIDIバウンス (2)

前回はNI REAKTORのSpiralを使ってREAPERでMIDIバウンスのやり方を説明しました。でも折角REAKTORの話をするんだったら、自分で組んだパッチとかも使いたいという人向けにそういうやつもやってみることにします。

Reaktor_8Steps01
↑ こんな感じのやつ

Take FXにREAKTOR VSTを挿入しても使える!

Trackに設定したMIDI-INによる入力は扱えないという制限が付きますが、DAWの再生に同期させる程度のものであれば、REAKTOR VSTをTake FXに挿入してMIDIを出力させるという方法も使えます。

更にこのREAKTOR VSTの後ろにInstrumentのFXを挿入すれば音も鳴らせます。ただしこれも前回と同様MIDIバウンスのため、FXルーティング右クリックから[MIDI output>Merges with MIDI bus]を有効にして下さい
TakeFXInst01

REAPERはオーディオとMIDIを同一Track上でシームレスに扱える構造上、こういうアクロバティックな設定が普通に出来てしまうのが良いですね。


REAKTORのパッチを組んでMIDIを出力してみる

今回もあまりREAKTORについての説明は行いません(おい)。ただ、やってることはBlocksという便利モジュールを3つくらい置いて、何本か線をつないで終わりというものしか扱いません。簡単なので、興味のある人はやってみて下さい。

ざっくりとした手順は以下の通り。

  1. MIDI Itemを作成し、Take FXに[VST: Reaktor 6]を挿入
  2. REAKTORの画面を何にするか聞いてくるので一番右の [Build.] をクリック
    ReaktorStart01
  3. 上の方にある [EDIT] ボタンを押して編集モードへ切り替え
    ReaktorEdit
  4. あとは以下で紹介するモジュールを置いてちくちくつないでいくだけ

REAKTOR Blocksの8STEPS

8STEPSはその名の通り8ステップのステップシーケンサーです。これを以下の図のようにつないでみましょう。

Reaktor_8Steps01

使用したモジュール

  • Blocks Base>Blocks>Util>UTL-Util Clock.ism
  • Blocks Base>Blocks>Util>UTL-Util MIDI Out.ism
  • Blocks Base>Blocks>Bento Box>SEQ-Bento 8 Steps Sequencer.ism

このItemをMIDIバウンス(Itemを右クリック> [Apply track/take FX to items as new take (MIDI output)])すると以下のようになります。

MIDIBounce01

MIDI Takeを開くとこんな感じ。

MIDIBounce02

REAKTOR Blocksの4MODS

4MODSはモジュレーション用のステップシーケンサーで4種類のシーケンスを編集して出力できます。今回は2つのシーケンスを設定してバウンスしてみます。

Reaktor_4Mods01

使用したモジュール

  • Blocks Base>Blocks>Util>UTL-Util Clock.ism
  • Blocks Base>Blocks>Util>UTL-Util MIDI Out.ism
  • Blocks Base>Blocks>Bento Box>SEQ-Bento 4 Mods Sequencer.ism

MIDIバウンスした結果。

MIDIBounce03

MIDI Editorで出力したCCを見てみるとこんな感じ。

MIDIBounce04

REAPERでREAKTORのシーケンサーを楽々MIDIバウンス (1)

こちらの記事で紹介したMIDIバウンス、MIDIを出力できるFXならなんでもバウンス出来ます。そういうプラグインは結構あったりするので時々紹介していきたいところですが、今回はNI REAKTORをちょこっとだけ使ってみます。

REAKTORはいわゆるモジュラーなんですが、これの理屈や組み方を説明し始めるときりがないので置いといて、とりあえずこうすれば簡単に使えるという例だけ書いておきます。

REAKTORに興味のある人は公式サイトなどを見てみて下さい。
Reaktor6_logo


FXに挿入するだけで使えるSpiral

まずは一番簡単なやつで、TrackのFXにREAKTORのVSTiを入れてSpiralを選択するだけという方法です。

  1. Trackを作成し、FXに [VSTi: Reaktor 6] を挿入。
  2. REAKTOR上で[Player]タブから[Reaktor Factory Library>Sequencers>Spiral.ens]を開く。
    Reaktor_Spiral01
  3. 作成したTrackのArrange View上をCtrl+マウス左ドラッグでMIDI Itemを作成。
    CreateMIDIItem01
  4. Track側のFXに音の確認をするためのFX(VSTiなど)を挿入し、上記Itemを再生しながらSpiralを調整(とりあえず調整は何もしなくてもOK)。
    AddInst01
  5. 上記の音の確認用音源FXがそのままだとMIDI Noteをそれ以降に通さなくなってしまうので、その音源のFXをOFFにする。もしくはMIDIメッセージを通すように、FXウィンドウのルーティング指定を右クリックで [MIDI output>Merges with MIDI bus] を有効にする
    MergeMidiBus01
  6. Track上の先ほど作成したItemを右クリック> [Apply track/take FX to items as new take (MIDI output)] を選択して、MIDIバウンスを行う。
    ReaktorMidiBounce01

REAKTORから出力されるMIDIはいつもTrackでリアルタイムにMIDIレコーディングしていた、という人は今回の方法を試すとMIDI Item作成の時間がぐっと短くなるので試してみてはいかがでしょうか。


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