2019/11

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UVI Falcon:マルチアウト設定

今回はFalconの音声出力をマルチアウトさせる方法を書いておこうと思います。

マルチアウト設定方法

Falconではマルチアウトの設定が出来るのですが、この設定がPart、Layer、Keygroupそれぞれで行うことが出来るようになっています。設定はFalcon左側パネルのLISTタブで行えます。

Partで出力先を指定する場合はPARTに並んでいるパラメータの[Output]を変更すればOK。
FalconMOut_Part01

LayerやKeygroupで出力先を設定する場合は下の方にあるLAYER(S)やKEYGROUP(S)で設定を行います。そこに既に作ったLayerやKeygroupとそのパラメータが並んでいるのですが、このパラメータの列で[output]というものがあります。表示されていない場合は、パラメータ名(nameとかかいてあるところ)の部分を右クリックすると表示パラメータ項目メニューが表示されるので、そこから[output]を選択して表示します。
FalconMOut_DispOutput

あとはLayerやKeygroupの[output]を[Main Out]から[Out 2]などに変更してやれば、音声出力先が変わります。DAW側でInstrumentのマルチアウト設定を行っていれば、それぞれ指定したTrackなどに音声が出力されるはずです。
FalconMOut_OutToDAW


マルチアウト指定時のルーティング

まずマルチアウト設定での[Main Out]についてですが、これに設定されているものはFalconの既定のルーティング(Keygroup>Layer>Program>Mixer>Master)に沿って処理が行われて、メインの出力から音声が出力される流れに乗ります。

[Main Out]以外の[Out 2~17]に出力設定したものは、そこからFalconの外側に音声を出力し、それ以降のFalconの既定の音声処理には流れません。つまりKeygroupで[Out 2]などに設定すると、そのKeygroupの音声はLayer以降には流れないということになります。

でもちょっと裏技というか、TREEタブで表示できるAux1~4に音声を流してやれば、KeygroupなどからFalcon外に音声を出力しつつもProgramに音声を受け渡すことが可能だったりします。まぁそこまでルーティングに凝るシチュエーションがあるかどうか分かりませんが、知っておいて損はないです。
FalconMOut_AuxSend
↑AuxバスでProgramへ音声をSend



なにやらマルチアウト出力を指定できる場所がいくつもありますが、どの階層から出力するのがベストとかいうことはありません。上記のような音声信号の流れを考慮して、どこからFalconの外にマルチアウト設定するのが自分の意図に最も合っているか選択しましょう。


UVI Falcon:Effect Rack

今回はFalconのEffect Rackを紹介します。

Effect Rackとは

FalconのEffect Rackは簡単に言うと、複数のエフェクトチェインを作ってまとめて1つのエフェクトモジュールとして扱えるものです。必要なパラメータだけをEffect Rack Macroとして表示も可能で、複雑なエフェクトチェインをコンパクトにまとめるのに適しています。

基本的な仕組みは次の通りで非常にシンプル。

  • Effectのチェインを複数作れる
  • 入力波形はすべてのチェインを通って並列に処理され、最後に足し合わされて出力

Effect Rackを使用すると、以下のようなエフェクトを作ることが出来ます。

  • パラレル処理
    複数のチェインを使ってパラレル式のエフェクトが簡単に作れます。
    FalconER_PXpander
    ↑プリセットにあるParralelXpander
  • マルチバンド処理
    Crossover Filterを使ったマルチバンド処理を作成することが可能です。マクロで複数のチェインのクロスオーバー周波数を動かすセットアップが面倒なので、プリセットTemplateにある[2 Bands Chain]や[3 Bands Chain]を使うと楽です。
    FalconER_MultiBand01
  • MS処理
    プリセットにMaxMSというMS処理を使ったMaximizerがあります。プリセットTemplateにある[MS dual chain]を使えば一からMS分離系のエフェクトを作成する事も可能です。
    FalconER_MaxMS

他にもアイデア次第で特殊なエフェクトを作れるかもしれません。チェイン数も特に縛りがないようなので、CPU負荷が許す限り追加していけます。


Keygroupにインサートする場合の注意

Effect Rackに限ったことではありませんが、Keygroupでは利用できるエフェクトに制限があります。例えばDelayやSparkVerb、Modulation(Chorus等)など、挿入出来ないものが結構あります。恐らくVoice毎に処理すると重くなりすぎてしまうなどといった問題があるものは使えないようにしているのだと思われます。
FalconER_KGEffect01
↑KeygroupのEffectは所々グレーになっていて使えないものがある

ところがEffect RackをKeygroupに挿入する場合、GUIの操作の上ではEffect RackのChainに何でもエフェクトを挿入出来てしまいます。ただしエフェクトが挿入出来ても動作はしないようなので注意。Keygroupで使えないものは動作しないので、本来そのEffect Rackのセッティングで実現しようとしていた効果とは違ったものになってしまう可能性があります。

まぁKeygroupのインサートエフェクトで無茶すんなよ、ってことですかね。処理負荷無視(当然諸々理解した前提)でなんでもかんでも挿入出来たらそれはそれで面白い効果が作れそうなので、ちょっと期待したんですが致し方なしですね。


Effect Rack MacroとGUI

Effect Rackが独自のMacro(Effect Rack Macro)を持てることについては少し触れましたが、これはいわゆる音色のINFOタブに表示されるものではなく、Effect Rackモジュール自体に表示されるもののことです。Effect Rack内のエフェクトの調整用に表に出しておきたいパラメータだけを表示出来るので、自作のEffect Rackを後で使うのが容易になります。
FalconER_Macros

また、Effect Rack Macroとして表示しているノブなどの配置を自由にいじることも可能です。[Ctrl + E]で編集モードが切り替わります。プリセットにあるFuzz4などはGUIもきちんと作られていますね。背景も画像ファイルをドロップして画像を表示出来るので、好きなようにデコれます。
FalconER_EditMode
↑EditModeに切り替えた状態

再利用するために自作したEffect Rackが出来たら、GUIも整理して後から使いやすいようにしておきたいですね。


Edit画面の整理にも役立つ?

FalconのEDIT画面でエフェクトを沢山挿入する場合、数が多くなりすぎると画面に収まりきらなくなります。端のエフェクトをクリックしていけば最後まで見ることは出来ますが、それが煩わしくなってくるようであれば、Effect Rackを追加してそこにある程度まとめてしまうのも一つの手です。

ただし、EDIT画面で直接個別のEffectを弄れなくなるので、便利になるかは使い方次第といったところでしょうか。エフェクトをEffect Rackに一括コピーするのであれば、EFFECTタブを表示して、Multi FXのコピペ機能を使うと便利です。
FalconER_MultiFXCopy



Effect Rackは工夫次第で結構いろいろなことが実現出来るので、是非使ってみて下さい。一見難しそうに見えるかもしれませんが、Falconのマニュアルに簡単な1ページのチュートリアルがあるので、それをやってみるだけでも概ね使い方が掴めると思います。


UVI Falcon:驚異のプリセット機能、コピー&ペースト

UVI Falconのあまり語られない機能を紹介していくこのコーナー(?)
今回はFalconのプリセットまわりの仕組みを取り上げようと思います。

Falconのプリセットの仕組み

*「はぁ? プリセット?
  そんなのいつも使ってるよ! 一覧から音色選ぶやつでしょ?」
Falcon_Preset01
と思うかもしれませんが、Falconのプリセット機能全体から見るとそれはほんの一部でしかありません。

Falconでは音色(Program)切り替えだけでなく、Oscillator、Effect、Modulationなどといった個別のモジュールにもプリセット選択機能が付いています。モジュールによってファクトリプリセットの数はまちまちで、プリセット0個のものから、かなりの数のファクトリプリセットを持つものまで存在します。今回は具体的なプリセット紹介とかやりませんが、一通りチェックしておくとよさそうです。
Falcon_Preset02
↑ モジュール右上のプリセット一覧から選択出来る

もちろん、ファクトリプリセットを使うというだけでなく、自分で作った設定を保存しておけるユーザープリセットの機能も搭載しています。

ではFalconで扱える(Save/Load可能な)プリセットの種類をざっと見てみましょう。

  • multiプリセット
    音色Partを複数まとめたもの。NI KONTAKTを使ったことがある人なら似た仕組みがあるので分かりやすいかと。
  • Programプリセット
    いわゆる音色切り替えで扱うプリセット(多くのプラグインシンセの音色プリセットに相当)
  • Keygroup User Template
    Falcon_KGPreset01
    単体保存のみだがKeygroupを保存しておける。選択Keygroup右クリック>[Save Keygroup Template]で保存すると、MAPPING右クリックでUser Templateから選べるようになる
  • あらゆるモジュール毎のプリセット
    Falcon_Preset02
    Oscillator、Effect、Modulationなどそれぞれのモジュール単位で個別にプリセットが作れる。
  • マルチエフェクト(mfx)
    Falcon_MultiFx01
    EFFECTSタブで複数のエフェクトをまとめて保存しておき、後で全部いっぺんに追加が可能。Effect関連でいうとEffect Rackという別の仕組みもあるが、これは単品モジュールと同じ扱いでいける。

多くのプラグインシンセでは音色単位のプリセット保存が出来ますが、Falconでは様々な階層やグループ等で部品をプリセット化しておけることが分かりますね。

ではこのあたり他のシンセと比べて良さそうな点を挙げてみると、

  • 自作の音色で、後々使いまわしたいところだけを分解して部品ごとに再利用可能
  • Expansionなどの音色から例えばReverbの設定だけ保存しておいて使いまわせる
  • エフェクト等のモジュール毎に特定用途の設定を作りためておくことが可能
  • MultiEnvelopeのような複雑なモジュレーションカーブもそれ単品で使いまわせる
  • Keygroup User Templateを充実させておくと音色を一から作る時に明らかに時短
  • multiでレイヤー化もしくはマルチ音源化した音色も取っておける

などなど、結構なメリットがあります。とにかくあらゆるモジュールが再利用可能と考えると、Falcon Expansionの音色を観察する見方も変わってくる気がします。EffectやらOscillatorやらのよさげな設定とかあったらプリセット保存して集めておくのもアリかと。

Falconはルーティングが非常に簡易化されていることを除けばいわゆるモジュラーシンセみたいなものなので、自然とこういう仕組みが組み込まれたのかもしれません。このようなプリセットの仕組みを活用してユーザープリセットを充実させていけば、一から音色を作っていく作業も楽になっていきますし、使えば使うほどあらゆる作業が効率化していけることが分かります。


ユーザープリセットの階層化

とにかく部品ごとにプリセットが作れるというだけでありがたいのですが、Falconは更にプリセットの階層化に対応しています。要するにフォルダ分けしてプリセットを整理しておけるのですが、更に階層もどんどん深くしていくことが可能。なんなんだこいつは(歓喜)

FalconのユーザープリセットはWindowsだとユーザーのドキュメント以下の UVI/Falcon/User Presets に保存されています。例えばAnalog Filterなら FXs/Analog Filter にあります。

ここに更にフォルダを掘ってプリセットファイルを振り分けておけば、Falcon上でもメニューが階層的に表示されます。そのフォルダの中に更にフォルダを掘っていけば、Falcon上でもUser Presetの階層が深く表示されます。
Falcon_UserPreset01
↑ フォルダを掘ってプリセットを配置
Falcon_UserPreset02
↑ Falcon上でもメニューが階層化される

勿論エフェクトだけでなく、Keygroup User Templateなども同様にプリセットを階層化しておけます。グループ分類厨の人は作業が捗りますね。

ちなみにユーザープリセットもFalcon右側のブラウザに反映されて表示されるので、モジュール新規追加時にドラッグ&ドロップ出来て便利。
Falcon_UserPreset03


モジュール設定のコピー&ペースト

これまでプリセット保存、つまりはファイルに保存しておくことを中心に説明してきましたが、Falconではモジュール設定のコピー&ペーストも可能です。音色を作っていてモジュール設定を複製したくなった場合に、いちいちプリセットのファイルを保存するまでもない(将来再利用したい訳ではない)時はコピペ機能を活用しましょう。

モジュールを複製する場合は以下の手順でOK。

  1. コピーしたいモジュールのメニューから [Copy to clipboard] で設定をコピー
  2. 設定をコピーしたモジュールと同じものを新規作成
  3. コピー先モジュールのメニューで [Paste from clipboard] で設定を貼り付け

コピー&ペーストに関する注意点

理由は良く分かりませんが、Sampling系のOscillatorではセットした波形ファイルのパスだけがコピペされないようです。バグなのか何か理由があるのか・・・?

他のモジュールも全てチェックした訳ではないので、他にも何かコピペできないものがあるのかもしれません。あ、そういえばレイヤーだけはコピペや複製が一発では出来なそうでしたね(でも複数のKeygroupコピペ機能などがあるので困ることはない)。



今回はFalconのプリセットまわりの仕組みについて説明してみました。こういったFalconのシステム周りの具体的なメリットって、ネットやSNS・Youtube動画などを見ても、なぜかあまり語られないんですよね。でも「Falconだからこそ出来る事」というのは、地味でもこういう部分に凝縮されてたりするので侮れません。

自分がFalconを誰かにオススメする場合に、相手が音色を作ったり弄ったりするという人であれば、迷わずこのプリセットの仕組みを話しそうです。特に効果音制作などのように、理詰めで音を構成していくのには非常に相性が良いので、そういう作業をする人にはオススメですね。


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